感想・レビュー
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uburoi
2
大乗仏教を典拠とするこの大河小説だが「弁信の巻」で盲目の僧弁信が白骨の湯の中で長々と解く無明と真如の争いについての長広舌、わかったようなわからぬような減らず口に作者はひとつの根拠を託しているのであろう。離散集合のドラマの中でコンビを形成することも多いのだが、白骨を離れて弁信はお雪とともに関ヶ原へ向かうことになる。最後の章ではがんりきとのろまの清次という初登場の紙屑屋が関が原へ。そこには道庵先生が関ヶ原合戦の再現を企んでいる。大谷刑部にあこがれるお銀様もここにいる。米友はお銀様の元へ駆けつけようとしている。2025/06/02