内容説明
世界最高の医療水準を誇るボストンのホワイト記念病院で、奇妙な急患が出た。医学的所見から明らかに死亡と診断されたホームレスの女性。解剖されたその胸部から、おびただしい血とともにあらわれたのは、まだ拍動している心臓だった。患者は死んではいなかったのだ。誤診を犯した担当医の同僚エリックは、自分の診断した患者の中にも同様の男がいたのに気づく。しかもその男の“遺体”が、忽然と消えた。行方不明の兄を探す女性ローラとともに謎の解明に乗り出すエリックの前に、病院内にうごめく秘密結社〈ヘルメスの杖〉の恐るべき計画が浮かび上がってくる―。現役の医師が描く、迫真の医学サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
君島 嵐士
2
こちらの作品も、大ボリュームで読み応えがあった。 途中で嫌にならず、海外文学なのに凄く読みやすくて挫折せずに読めた。 ミステリーと医療物が合わさった作品ならではで、偏りがなくちゃんとジャンル通りの作品で面白いしまた違う作品も読みたくなった。2024/11/13
yos
0
マイケル・パーマーのロマンチック系医療ミステリ。 矢継ぎ早に事件が起こり、ハラハラドキドキの展開と荒唐無稽な一大陰謀が面白い。 細い糸のような手がかりを手繰りながら、悪夢のような真相に迫っていく。 ミスリードもふんだんにあり、素直な読者は怪しいと疑いつつ、また素人探偵ローラは実にコロリと騙されてしまう。それがまた、ストーリー展開に弾みをつけ、長編ながら一気に読ませる展開となっている。読んでいる間は熱中でき、読み終わってからは後を引かない。広げた風呂敷はきっちりたたむ、マイケル・パーマーの職人技。2008/09/21