内容説明
激動のうちに20世紀も暮れようとするなか、フランスの大富豪ピエール・ベナック男爵は私財を投じて国際科学オリンピックを開催した。アルプス山中のリゾートタウンは一躍、全世界のすぐれた頭脳を集めた科学の祭典の場となる。しかし、ある朝聖火台の炎に焼かれている科学者の死体が発見されるにおよんで、この世紀の大イベントは恐怖と迷信と死の交錯するおどろおどろしい悪夢に変貌するのだった。つぎつぎに起こる殺人事件。その残虐な手口と満月の夜に限られた犯行から、狼男への恐怖がつのっていく。そんななかで、アメリカから天才的素人探偵が事件解決に赴く。『ホッグ連続殺人』いらい、ひさびさのベイネデイッティ教授の登場である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
UPMR
2
『ホッグ連続殺人』のベイネデイッティ教授が探偵役を務めるシリーズ二作目。国際科学オリンピックの開催中に科学者らが次々と襲われ、犯人は狼男なのではないかという恐怖が街を覆うテンポの良い展開は実際『ホッグ~』さながら。一方謎解き単体として見ると、よくあるフーダニットの域を出ず、犯人に目星をつけるのは容易。とはいえ、引っ掻き傷を残したり、満月の夜に殺人を行ったりするなど犯人が狼男を装うことになった動機は秀逸。準主役のロンが単なるワトソン役ではなく、探偵の弟子として積極的に捜査に参加しているのも面白いと思った。2022/11/19
guriko
1
「ホッグ連続殺人」以来の久しぶりのデアンドリア。相変わらず荒唐無稽な話を最後の最後でストンと着地させる手腕が凄い。その凄さが一瞬分からないほど。これをどう着地させるのか?と心配になるほど話がぶっ飛ぶのに、それしかあり得ない結末。2019/08/23
kanamori
0
☆☆★2013/09/29
シロくますけ
0
なぜ狼男を騙ったのか?その理由は、(本格ミステリの世界では)一応論理的。馬鹿馬鹿しいが。 この理由を思いついて、こんな特殊な(無理な)設定を選んだんじゃないかのな? 2024/02/16