内容説明
元幹部の証言と内部秘密文書が明かすクメール・ルージュの「実像」。
目次
序章 クメール・ルージュは変わったか
1 政権復帰をめざして―戦争、統一戦線、民族主義および階級闘争
2 指導者と組織―ポル・ポト、指導部、党、国家
3 ポル・ポト派軍の組織と実態―民主カンプチアの軍事的再建
4 ポル・ポト派政治活動の実態―民主カンプチアの政治的再建
5 農村工作の実態―農村の奪還
6 証言―カンボジア農民の声
終章 パリ和平協定以後のクメール・ルージュ
感想・レビュー
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印度 洋一郎
4
1979年にベトナム軍の侵攻を受けて下野して以降、反政府勢力となって抵抗を続けていたポル・ポト派の実態について、カンボジア内の資料や聞き取りに基づいたルポ。それによると、ポル・ポト派は国際的な認知や支援を受けるために表向き、「穏健になった」姿を難民キャンプ等で見せていたが、内部では思想を統制し、「共産主義を堅持しつつも、戦略のためにクメール民族主義を標榜」していたという。貧農階級への積極的なアプローチもあって、根強い支持もあったが、多くの人々は「彼らが支配していた時代」を覚えており、支持していなかった2017/10/28