内容説明
中世末期、ヨーロッパに流布した一群の死のイメージ「死の舞踏」。人間の死そのもの、屍(しかばね)をあからさまに表現するこの図像群は、いったい、何を意味しているのか。「死の舞踏」成立の謎を追い、その仏語訳「ダンス・マカーブル」の語源に迫り、中世末期の死生観を浮かびあがらせる、気鋭の書き下ろし。
目次
第1章 「死の舞踏」への旅
第2章 クリュゾーネの死
第3章 死の伝播
第4章 南欧の死
第5章 死にゆく人々
第6章 マルシャンの木版本
第7章 マカブレを追って
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mawaji
6
NHK日曜美術館「疫病をこえて 人は何を描いてきたか」を見て著者を知りアマゾン古書より購入。骸骨に近い状態の死者と生きている者が交互に手を取り合って墓場へ向かう「死の舞踏 Danse Macabre」というモチーフはどこかの美術館で見たことがあるような気がするという程度の記憶しかありませんでした。疫病の流行に人の死にゆく姿を見ては己れの生き方を問いつめられる当時の人々の日常は、コロナ禍のなかでアマビエを護符として癒しを求める今の我々と似たようなところがあるのかも。「ダンス・マカーブル学会」参加してミタイ。2020/05/09
みそさざえ
5
ロマネスクの教会を訪ね、その不思議な装飾に魅せられた。そこに描かれた最後の審判や、死後の世界についてさらに探究したいと手に取った著書により「死の舞踏」という新たな中世美術を知った。当時の死生観が興味深い。 2017/04/09
seichan
2
「死の舞踏 Danse Macabre」のモチーフをたずねて、北イタリアやフランスやイギリスならの教会や墓地や書籍やらをめぐっていく。「三人の生者と三人の死者」のモチーフのほうが古いらしい。そして社会のあらゆる階層の人々と骸骨が組んでのパレード、「死の舞踏」へと発展。やがて「死と乙女」も出てくる。マカブレの語源がハッキリしないとは初めて知った。パリの街なかにデカい墓地があって土葬してたとか、移転時は何百年分の骨やら死骸やらを掘り返したとか。しかし昔の社会は死との距離が近い近い。 2020/06/19
三雲
0
硬質で端正な文章で語られる美術と旅の物語。美術を通して人々がどのように死と向き合っていたかを教えてくれた。
夜吟秋月
0
中世ヨーロッパで流行った『死の舞踏』。ペストの流行で起こった美術は「どんな者でもいつかは死に絶える」といった無常観が根底にある。死の舞踏を筆者が旅し考えるさまが良い。余談だが音楽の「死の舞踏」もおすすめ。2025/06/09




