内容説明
博覧強記の奇才・荒俣宏が、自身の持つ評伝コレクションの中から選び出す、奇人たちを描いた綺譚、逸話の数々。南方熊楠、宮武外骨、大谷光瑞、左卜全、三田平凡寺、リチャード・ナッシュ…。規範や体制にとらわれることなく自由に時代を闊歩した面々の生きざまを紹介し、現代に繋がるその精神性を垣間見る、稀代の畸人・奇人・伝奇集。
目次
日本近代の畸人たち
西洋の奇人たち
科学界の奇人たち
和人篇(沢田源内;深井志道軒;伊藤晴雨;南方熊楠・宮武外骨;大谷光瑞;小谷部全一郎;久原房之助;左卜全;三田平凡寺;深沢七郎)
異人篇(シュヴァリエ・デオン;B.トレヴン;ニコラ・テスラ;リチャード・ナッシュ)
エピローグ 奇人たちの最後の一言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
8
奇人について書かれたアラカルトだが、執筆陣もかなり奇矯だ。左卜全は色川武大担当。「セリフは忘れる、きっかけははずす、それでいて他の役者のセリフ中に、突然眼を剥いて、ゲゲゲ、と笑ったりする」。夏目房之介は「祖父のことなど」。中山太郎と木本至はそれぞれ南方熊楠担当。「子爵酒井忠一氏が、山岳会の用件で翁を訪問したときも、面会謝絶されはせぬかと、内心ビクビクもので訪ねられたと語られた事がある。併し、翁も晩年には例の嘔吐をはきかける奥ノ手は、慎んで用ゐぬやうになった」。エピローグは中島らも「奇人たちの最後の一言」。2020/03/18
あなた
1
深沢七郎が、三島由紀夫は45になって自分が少年の文学をずっとやっていたことにきがついてあんな感じになったんじゃないかと話していて、たしかに軍服を着て演説する三島はりっぱになりたかったのかもしれないなと思った。でも逆に考えると、あきらめメルヘン、というか、いきてたらいつのまにかメルヘンのまっただなかにいるけど、しかたないよね、あきらめメルヘンだよね、と思えたら、軍服着る必要もなかったんじゃないか。でも仮面の告白をするひとはすごく決意もしちゃうのかもしれないし、ふしぎなひとでいることにがまんできないのかも2021/12/05
三柴ゆよし
1
東西の奇人たちにまつわる伝記(あるいは伝奇か)アンソロジー。編者アラマタ自身も奇人としては相当名の知れた人で、だからか知らんが本アンソロジー、奇人のチョイスがやたらマニアックである。三田平凡寺、沢田源内、深井志道軒なんて人たちにいたっては、名前すら初耳だった。一部執筆陣の顔ぶれがまた楽しい。澁澤龍彦、中島らも、種村季弘、色川武大、深沢七郎など、まさに奇人は奇人を呼ぶということであろうか。ラブミー牧場。2009/12/16
4fdo4
0
古本屋で購入。「東西奇人尽し」と副題にあるが、やはりインパクト一番は南方熊楠に尽きると思う。13の言語を話し、太平記50冊を暗記し、いつでも嘔吐できたというそれこそ奇人である。左卜全なども出てくるが足元にも及ばない。2012/06/11
小林ミノリ
0
荒俣宏編、東西の奇人変人、良く言うと異彩天才たちの評伝集、宮武外骨、三田平凡寺などはこの本で知りました、あまり一般的ではない隠れた偉人の偉業を知るために必読。
-
- 和書
- 大人の話し方聞き方超入門