福武文庫<br> 長男の出家

福武文庫
長男の出家

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784828831947
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

息子を禅僧への道に送り出した変哲もない家族の戸惑いと型破りな師匠の尼僧をユーモラスに描き、「現代の子捨て物語」と評された第98回芥川賞受賞の表題作ほか、「トンボ眼鏡」「黒い海水着」の2篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

163
第98回(1987年)芥川賞。 「僧になりたい」という息子と父の心の交流を 描いた物語である。僧の修行に邁進する 長男良太と、残されて戸惑う 家族の対比が 活写されて 面白い。日本における 宗教のあり方と 家族の絆を 乾いた 感覚で描いている、そんな作品だった。2017/12/04

kaizen@名古屋de朝活読書会

100
【芥川賞】小学校の頃からお寺に通う親子。息子が出家するという。本当に縁切り、戸籍まで。知らない世界が広がる。母親の言葉がすごい。父親が出家すべきだと。現実味が深い。2014/02/04

ヴェネツィア

73
1987年下半期芥川賞受賞作。池澤夏樹「スティル・ライフ」との同時受賞だった。両作品共に選考委員の評価はかなり高い。著者の三浦清宏は、初読であり、これまで名前も知らなかった。主人公の1人称語りのスタイルをとるが、印象的には多分に私小説風である。表題通りに息子を禅寺に出家させる話なのだが、そこに「ぼく」(語り手)と妻の息子を手放すことへの精神的な葛藤を描いてゆく。一方、出家して良海となった息子の良太の煩悶や葛藤が描かれることはない。今となっては斬新さに欠けるこの作品が、何故芥川賞を受賞したのか分らない。2013/10/25

Junko

8
【100冊目】に相応しい小説と選んだ。芥川賞を取った時に読んだので、30年振り。「僧になりたいと息子が言いだす」と言うように、三浦清宏氏の小説は結論から始まる。父親と母親は、チグハグな会話を繰り返し、主人公である父親は、孤独を感じる。尼僧が親としてどうあるべきかを説く。私小説ではなく、書きたいテーマに沿って、事実を書き添える、それが三浦氏の小説の書き方だとのこと。会話は押したり引いたり、押しくらまんじゅうが面白い、とも言っている。2018/04/29

黒豆

6
第98回芥川賞受賞作 表題作と短編2編(トンボ眼鏡、黒い海水着) 息子が出家するという、親はすんなり認め、トントンと話が進むものだろうか? 読んでいて息子の方がドンドン成長して行くが、親は全く成長していないような?考えさせられる内容。作品は少ないよう、他の作品も気になる2017/12/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/76171
  • ご注意事項

最近チェックした商品