内容説明
反骨と意気地の姿勢ゆえに“曲軒”と綽名された山本周五郎が、「わが人生のもっともよく有難き伴侶、わが妻よ」と讃え、周五郎の戦後から晩年、死に至るまでの旺盛な作家活動を支えつづけたきん夫人が、山本周五郎の知れざる側面をも語った感動の夫婦愛の物語。
目次
さむらい亭主(主人と女性たち;さむらいの血;枕頭の朗読;はじめての大金;なくなった表札)
かあさんのおかげ(後妻の座;天下われひとり;かあさんのおかげ)
貧しい人たちのために(理想の像、原田甲斐;大事にした編集者;自己暗示の名人)
寒い朝(自殺したい気持;原稿用紙に触るな;しあわせもの)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ももたろう
1
山本周五郎の生き様と、それを支えたきん夫人の生き様の両方に触れることができる作品。妻の目から見た周五郎は、仕事一筋で、仕事のこととなると頑として誰にも譲ることなく自分の意志を貫いたという。だからこそ、周五郎の作品は心の糧になるようなものが多いのだと改めて実感した。そして、なにより素晴らしいのは、夫への、現代では考えられないようなきん夫人の献身ぶりである。「妻として、後悔はない」という言葉をきん夫人は周五郎の死後に語っているが、本当にその通りに生きたと思う。2012/07/24
むくのきやすお
0
福武文庫ではなく単行本として出されたものを馬込図書館で借りて読んだ。山本周五郎は筆がはやく締め切りを守るような印象を今井達夫さんの書いたものからの印象で持っていたが後年になるほど書くのに時間がかかるようになっていったんだなと、そんなとこに感心した。2014/11/24
naturaltomato
0
学生時代に読んだ本。山周コレクターズアイテム。きん夫人は菅井きんのイメージしかない。名前だけなんですが。
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- キャシャーンR(話売り) #5