内容説明
待たれていた男―、チャーリー・マフィンがいよいよ帰ってきた。MI6の上級職員として復帰した彼だが、待っていたのは経費にうるさい次長と無能な新人。憂鬱な日々を送っていたが、ある亡命ロシヤ人の情報から要人暗殺計画の存在を嗅ぎつける。暗殺者も標的も、日時も場所も判然としないその計画とは?チャーリーは独自の推理でテロリストを追う。待望のシリーズ第8作、遂に登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
69
フリーマントル版『ジャッカルの日』とも云うべきミステリとアクション風味が色濃く合わさったエンタテインメント作品。謎の暗殺者を突き止めていくMI6、CIA、モサドのそれぞれの代表者たちのうち、やはりチャーリーの冴えが光る。一時期ロシアで暮らした経験を活かし影なき暗殺者のロシア人故の不自然な振る舞いを手掛かりに突き止めていく辺りは実にスリリングでしかも痛快。結末は不穏な空気を纏わせて終わるのに唯一次作の“Comrad Charlie”は未訳のままだとは!理由は不明だがもう訳されることはないのだろう。残念無念!2016/09/06
gonta19
31
購入詳細不明。 2013/6/1〜6/6 20年モノの積ん読本。チャーリー・マフィンシリーズの八作目。超久しぶりに読んだが、一気に昔に記憶が戻る。大学に入った頃最初に読んだ「消されかけた男」で出会ったちょっと変わったヒーロー、チャーリーの印象は強烈であった。何故に二十年も積んだままだったのか!古い友人が元気に活躍しているようで、懐かしくかつ嬉しかった。2013/06/06
tom
11
マフィンシリーズ8作目。ソビエトの企てた要人暗殺を阻止するというストーリー。主人公のマフィンは、職場内ではだらしない外見を理由にして小馬鹿にされ、彼を認めるのは一部の限られた人たちだけ。彼は、いったん仕事に出たら、きちんと結果を出すのだけど、その合間には、お馬鹿な上司・同僚に対する文句を垂れ流している。彼の文句の垂れ流しは、いつも同じパターンの連続。8作も読んでると、少々食傷という気分になってしまうはずなのに、少しも飽きさせない。このシリーズの面白さはここにあるのかも(笑)。2015/08/10
bapaksejahtera
9
シリーズ第8作。手違いで第6作が未読。前作はマフィンへの褒賞篇であったが、なお2回も昇進を見送られた主人公が本部に昇給の策動を行う場面が本作冒頭に仕掛けられる。ソ連からの亡命者の口から、不確かながら近々どこかで米英に混乱を与える暗殺活動が企図されているとの情報が入る。情報部長の信頼感に応え、主人公はスイスでの中東和平式典が撹乱対象であることに気がつく。米英の首脳にさえ悪名が流れ四面楚歌のマフィンは、混乱助長を密かに企む影の動きも暴き赫々たる戦果を上げる。米大統領周辺の描写等、冗長の憾みはあるが佳作である。2021/05/31
ぼっくん
2
「だれもが不満たらたらで何十年も勤め、退職の日をあと何週間、何日とカレンダーを見てかぞえながら、いざそのときになると、ほぼ全員が職場にしがみつきたがるのだ」チャリーは無事に定年を迎えるのか?私も無事に定年を迎えられるのか? 2024/04/29