福武文庫<br> カフカ傑作短篇集

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福武文庫
カフカ傑作短篇集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 214p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784828830674
  • NDC分類 943

内容説明

文学のみならず、20世紀の社会思想に広範かつ決定的な影響を与えたカフカの傑作短篇を精選して収録。カフカ文学の一大転換点ともなった記念碑的作品「判決」をはじめ、長篇「アメリカ」の序章ともいうべき「火夫」、アフォリズム的断章を積み重ねた「彼」など21篇を、長谷川四郎の名訳でおくる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

めしいらず

57
・人はやらない理由を見つける天才。逡巡は本音を隠す為の建前に過ぎない・感情が先走り呂律が回らない。流暢に話せる者は如何にも信頼がおけそうだ・この世に公平などあるものだろうか。皆、自分の正しさを示したいだけ・人を悪し様に罵り己が正義を誇示することへの躊躇いが己を袋小路へ追いやる。心根が優しい者ほど疎かにされ、正義を声高に述べ立てる者ほど遇されるのが現実だ・手を差し伸べてくれる僅かな人。それは通りすがりの優しさ。時に寄せられる優しさは却ってその苦悩を重々しく見せる・社会と個人、それぞれの美徳と悪徳は相違する。2019/07/13

てれまこし

9
アレント/バイナーの本に言及されてた『彼』というアフォリズム集が収録されてる。保険局職員として働きながら文筆活動を続けるカフカにとって、「何のために書いてるか」という問いが常に頭のどこかにあったんじゃないかと思う。そのために自分が分裂してしまう。一方の自分は、事物の連鎖の一点である。日々の生活の必要に追われている。しかし、他方の自分は、世界の外に立って審判者の立場で自分を含めた世界を達観してる。それは、書くことによってしか立てない立場である。だが、生きるためには、無意味な世界に意味を与えなければならない。2021/05/22

merry

7
フランツ・カフカでカフカの短篇集を。生々しい気味悪さ。2016/01/04

あなた

4
カフカのテクストはつねに・すでに父親へのコンプレックスを内包している。でも、考えてみればこれだけ「象徴界=父の法」と言語でもって格闘し続けたひともいなかった。俺が死んだらテキストをすべて焼却しろ、と親友のブロートにいったのも自分自身が「父の法」へとなることの、または「象徴界」へと否応なく参入=簒奪されることへの怒りと恐怖からだったのかもしれない。ちなみに福武文庫は古書価があがってるので売らないように2009/07/16

ころっぷ

1
異様な緊張感を強いる小編が並ぶ。不寛容で神経質な世間に対する、筆者のシニカルな寓意に満ちた物語の断編。そこには希望の様なものでは無い、人間の生に対する粘着力が執拗に描かれている。不条理な悪夢的妄想は、そのままカフカの日常でありまた我々の日常でもある。様々な時代の様々な作家がそれぞれの必要にそって小説を遺してきたが、カフカのそれはあらゆる作家の中にあっても特異なベクトルを持っている様に感じる。2017/04/02

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