僕はかぐや姫

僕はかぐや姫

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  • サイズ B6判/ページ数 195p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784828823829
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「性」以前の澄明な精神を求めて、自らを〈僕〉と称する女子高生徒。17歳のうつろいやすい魂とジェンダーのうっとうしさを描いて、時代の皮膚を垂直に刺す第9回「海燕」新人文学賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いちろく

39
紹介していただいた本。自分の事を僕と語る少女達を描いた「僕はかぐや姫」。女子校が舞台という環境的な要因だけではなく、大人になる前に抱え通過していく儀礼とも取れなくない作品の掘り下げ方が魅力的。10代の少女を描いたからこそ文学作品として許されるギリギリの状況描写の数々とも受け入れられた。ある領域の境界を攻めて作品として昇華させた物語、というのが本音。さよなら、僕、よろしく、私。2016/10/06

あつひめ

39
松村作品3作目にして松村さんの謎に陥ってしまった。こういう作品を書くのかぁ・・・と。僕はかぐや姫・・・まずは、うわ~タイトルがズバリ素敵だと思ってしまった。僕とわたしの間で揺れ動く心模様が実にビミョーでジュッとしてしまった。人間でもないかぐや姫きっとかぐや姫も地球と月の間でこの自分ではどうしようもない有様をどうしたらいいものやらと思っていたかもしれない。自分は自分・・・そう潔く物を考えられるようになるまでどれだけ苦しんだかを想像してしまったけど。人魚の保険はいったいどう展開するのかと前半は???だった。2012/10/20

松風

29
高校生の頃読んだ時は「思春期の感傷徳用大袋」くらいに思っていた。センター解説は毎年してきたが、改めて読み通してみると、陳腐な感傷に潜む小骨を真面目に丁寧に描いていて、悪くないなぁと思った。年とったからかな。2014/08/24

山口透析鉄

25
これも市の図書館本です。一人称が「僕」の女子高校生の話とか。表題作のほか、人魚の保険も収録されています。 こういうのはもっと若い頃に読んだ方が良かったかな。雰囲気等は悪くはないんですが、この作者の作品をどんどん読んでいこうとまではならず。日本とオーストラリアには半年の時差があるっていうのは言い得て妙で、南半球なので太陽の動きも違いますし……ちょっとあまり大した感想が書けずに済みませんm(_ _)m2024/06/02

マコ

18
これはすごい。自分が読むべき本に出会った気がする。私も一人称が僕だったときがあるので余計にグッときた。主人公は、自分の好きなものよりも自分に似合うものを優先するっていう価値観を手に入れたんだと思う。主人公が好きなものと似合うものを使い分けられるようになるのか、それとも似合うものに押しつぶされてしまうのか、どちらも想像できるラストになっているのが恐ろしい。男性好みの女性を作りたいなら教育なんかすべきじゃないって折口信夫も違う表現で言ってたな。どうしてこれ絶版なんですか。どうして表紙がビアズリーなんですか。2018/08/19

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