内容説明
精神安定剤をのむ小説家の夫と、乳房の切開手術を受ける妻の日常に、夫婦の生き方の原型を丹念に描き出した表題作ほか、秀作4篇収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソングライン
2
妻の留守中、ねこの世話を任された夫を描くキャット・シッターから始まる夫婦の物語です。生活費から父母の面倒まで任せている妻の病気を描く表題作は、素直に愛情を伝えられない主人公に共感しつつ、ジンときました。2017/07/15
yoyogi kazuo
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両親と兄夫婦と自分の夫婦で兄名義の土地に建てた三棟の家に暮らす。土地の明け渡しの代わりに三分の二を兄の名義とし、出ていかねばならぬことになる。妻の実家で暮らせないか打診に行かせている数日間、住み着かせている猫の親子の世話に気を遣う「キャット・シッター」、妻の立場から夫婦の成り立ちから現在の日常を綴る「糟糠」、妻の初期の乳がん手術の顛末を描く「乳房」、父と母の入院と父の死去にいたる顛末を描く「夕空晴れて」の四編。私小説だがスラスラ読める文章の上手さはライター稼業ゆえのものか。2022/02/05
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