内容説明
野山や小川や雑木林こそかけがえのない私の学校だった。虫が飛び鳥が歌う、戦前の東京ですごした少年時代をなつかしく綴る、珠玉のエッセイ集。
目次
第1部 自然と人とのふれあいの中で―自然という伝承の場(木の間に消えたオオムラサキ;口を真っ赤に染めて食べたクワの実;美しい野川のほとりの博物誌;お伽の国の鳥?サンコウチョウ)
第2部 家族とのふれあいの中で―家という伝承の場(京の禅寺の伝承の日々―水上勉;幕府大目付夫人の幻の訓え―森繁久弥;明治の人・幸田露伴の三つの顔―幸田文;大正の東京下町女性の心意気―沢村貞子;戦前の昭和という昔の家―向田邦子)