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内容説明
「ひのきとひなげし」は、初期形では仏教説話の調子が強いのですが、この絵本で使われた、のちの形では、それは表面から消え、ひのきは、ひなげしの咲く岩手の野を「セントジョバンニ様のお庭」だと言って、亜片をあつめようとする悪魔を追いはらいます。でも、そのような背景はとにかく、この童話は風の烈しい岩手の野の日暮れのひとときを、幻想というにはあまりにも鮮明な、たえざる光の変化のなかに写し出しています。ひなげしの虚栄心と悪の誘惑、あるいは地上の花と天の星の相応、と言った主題ははっきりしていますが、でも、私たちが、ここに見、また聞く光景はほんとうは何なのでしょうか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちえ
37
ひなげしたちの美しさに憧れる願いにつけこむ悪魔、ひなげしたちを守ろうとするひのきにひなげしは最後まで文句言って、わかってないからしょうがないか…。正直なところこの話は何度読んでも難解です。画家の近藤弘明氏は日本画家で花鳥画を多く描いているとのこと。私にはこのひなげしの絵は美しくもぞっとする感じもしました。2020/09/27
♪みどりpiyopiyo♪
33
…あめなる花をほしといい この世の星を花という… ■岩手の野を強く風が吹き抜けるような絵本を読みました。宮沢賢治の童話です。絵は近藤弘明さん。物語に忠実ながらも どこか遠くから風景を眺めるかのような絵が 浮き世を離れた様で。■阿片を集めようとする悪魔を、「セントジョバンニ様のお庭」だと言って追い払うひのき。虚栄心と悪の誘惑、地上の花と天の星。孤独なひのきも 怒ったひなげしも 私たちの中にあるのでしょう。(絵 1986年)2019/04/18
いくっち@読書リハビリ中
4
見栄えを気にするひなげし(若き乙女)にひのき(男性)が諭したところでまったく通じないのであ~る。空の星と対比させ、星は星、花は花、定まった場所で光ればいいと言葉を残す。それでも乙女たちはわからないんだなあ。2013/03/24
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