出版社内容情報
中国式経済は国民を幸せにしない。自由を奪われた社会では格差がひどくなる!日本を代表するエコノミストと最前線で戦う投資ストラテジストが語る民間企業の底力を沸き起こす経済論。
コロナ禍でも、国家が強力に管理・計画する中国経済が成長した。それを受けてアメリカやドイツ、日本でも、民間企業の自由競争に任せる経済ではなく、国家関与を大きくする経済政策がブームになっている。バイデン政権のカーボンニュートラル政策、岸田政権の「新しい資本主義」戦略などである。これに対し著者は、「民間の自由競争を制限し、自由を奪われた社会では格差がひどくなる。経済全体が沈没する」と警鐘を鳴らす。本書では、日本を代表するエコノミストの原田泰氏と金融市場の最前線で戦う投資ストラテジストの嶋津洋樹氏が、「モデルとしての中国経済」の危うさを強く訴える。習近平政権の民間潰しによって、いかにひどい状況になっているか、これからもっと落ち込んでいくかを、ファクトとデータをもとに活写する。そして、岸田政権の「新しい資本主義」戦略を批判する。過去の日本で、官僚主導の成長政策がいかに失敗したか。一方、「安倍・菅政権」下において、民間企業の自由競争に任せる経済が格差を縮め、成長をもたらしたかを、データから明らかにする。市場の活力を実感する2人の論客が、民間企業の底力を沸き起こす経済論を熱く語る書。
【本書の内容】
コロナ禍で見えてきた「大きな政府」/メンツを傷つける決断ができない中国/CO2削減に政府の細かい指導は不要/中国・権威主義の危うさ/?をつくしかないのが権威主義の弱さ/「ハイリスク・ハイリターン」を求めた習近平/相当減速感が強まっている中国経済/デカップリングで中国はかなり痛む/岸田政権の経済政策に欠けているもの/「人新世」のムーブメントは理解できない/「リバタリアン」こそが日本の道
内容説明
日本を代表するエコノミストと、最前線で戦う投資ストラテジストが語る民間企業の底力を沸き起こす経済論。
目次
第1章 「強権政府」が増長するおかしな社会(コロナ禍で見えてきた「大きな政府」;類似している戦前の日本とコロナ社会 ほか)
第2章 中国・権威主義の危うさ(コロナの震源地から優等生へ;経済大国への歩みをもたらした期待と失望 ほか)
第3章 中国式経済はうまくいかない(中国より台湾の方が豊か;もっと冷静な議論が必要 ほか)
第4章 日本は自由重視で成長を目指せ!(日本にはびこる「根拠なき諸説」;下手な理屈をこねず、現実を見る ほか)
著者等紹介
原田泰[ハラダユタカ]
1950年東京都生まれ。東京大学農学部卒業。博士(経済学)。経済企画庁海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長、大和総研専務理事チーフエコノミスト、早稲田大学政治経済学術院教授、日本銀行政策委員会審議委員などを歴任。現在、名古屋商科大学ビジネススクール教授。著書に『昭和恐慌の研究』(共著、日経・経済図書文化賞受賞)、『日本国の原則』(石橋湛山賞受賞)などがある
嶋津洋樹[シマズヒロキ]
1974年宮城県生まれ。明治大学法学部卒業。三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)、みずほ証券、BNPパリバ・アセットマネジメント、SMBC日興証券で内外経済、金融市場の分析などを担当。現在は東京のほか、香港、米国(シカゴ)などに拠点を持つMCPアセット・マネジメントのチーフストラテジストとして、ファンド・オブ・ヘッジファンズの投資戦略や運用方針の策定に携わる。景気循環学会監事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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