内容説明
父の政界・ユダヤ人脈と母の不倫相手たちを駆使し、戦争を出世の道具にして世界を破滅させた。その怪物を生み出した英国社会の闇を克明に描く。
目次
対ゲリラ戦(キューバ)観戦
両親の出会い
幼年時代
ハーロー校時代
士官学校、父の死、インド赴任
戦場を求めて
ボーア戦争従軍
政界進出
出世と結婚
内務大臣から海軍大臣へ
第一世界大戦への道 ウィンストンによる戦争準備
第一世界大戦への道“1”穏やかな英独、英墺関係
第一次世界大戦への道“2”サラエボの悲劇、ウィンストンの好戦性
第一世界大戦への道 対独戦争に閣議を誘導したウィンストン
著者等紹介
渡辺惣樹[ワタナベソウキ]
日本近現代史研究家。北米在住。1954年静岡県下田市出身。77年東京大学経済学部卒業。30年にわたり米国・カナダでビジネスに従事。米英史料を広く渉猟し、日本開国以来の日米関係を新たな視点でとらえた著作が高く評価される。著書に『日米衝突の萌芽1898‐1918』(第22回山本七平賞奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
42
カナダ在住の著者は、「ルーズベルトとチャーチルがいなければ世界はより平和であったのではないか」と記す。チャーチルは英国が第一次世界大戦に参戦することに命を賭け、その結果はドイツにとって血の凍るようなベルサイユ体制を生み出し、次の大戦を引き起こす遠因となった。本書は、チャーチルの生誕から軍人、政治家となり、英国を第一次世界大戦に向かわせるまでを、その家系・性格・人脈・当時の英国貴族文化の様相と政治を、膨大な史料を駆使して克明に描き出し、一本とした大変な労作である。文章は清明で読みやすく第一級の面白さである。2022/02/27
Fumi Kawahara
3
『日米衝突』シリーズの次はないんかな~・・・('ω')・・・英国の選挙での馬車でのくだり、ディケンズの『我らが共通の友』でも出てくるね。「さぁ、やらなきゃ!」ってやつ。渡辺さんの著作は、こういうちょっと軽め系は戦中・戦後のプロパガンダ、通説、偏見を払拭したい気持ちが前面に出すぎちゃってるので、英国ものはやっぱり君塚先生かな~。2020/11/22
yurari
2
首相になる為、政治家だった父の名と社交界で有名だった母のコネを活用し出世したチャーチル。本書ではその生い立ちから第一次世界大戦開戦迄を描く。独は墺・セルビア紛争が二国間の限定戦争に終わるよう期待したが、仏に唆された露、チャーチルを始めとする強硬派による英国の参戦で世界大戦が始まった。特に著者は、露が動員を決めたことが罪深いと指摘する。これがなければフェルディナンド暗殺事件に端を発した紛争は局地戦争での決着になった。露の安全保障を脅かす動きはなく、スラブ国家盟主としての面子があっただけ。2022/06/02
mari masaki
0
渡辺氏がどのような本を書かれるのかが興味あり読み進めてますが進みません。 今止めるかどうか考え中です。2023/03/06