目次
第1章 日本を深く研究していた欧米(歴史修正主義と釈明史観主義;松陰の短剣とライシャワー・ハル夫人のつながり ほか)
第2章 英国自由貿易帝国主義と日米の戦い(ハリスが日本で評判の悪い理由;金流出が幕府瓦解を早めた ほか)
第3章 日本とアメリカが作った朝鮮開国(日本人が無関心な朝鮮半島との歴史;二国間ではなく「多国間外交」を日本に教えたペシャイン・スミス ほか)
第4章 ルーズベルトが仕掛けた日米開戦(コミンテルンの謀略説以前にあった日米開戦の萌芽;マニフェストディスティニーという狂気 ほか)
終章 若い人たちに伝えたいこと(弱者はずるい;民主主義の恐怖 ほか)
著者等紹介
宮崎正弘[ミヤザキマサヒロ]
評論家。1946年、金沢生まれ、早稲田大学中退。日本学生新聞編集長などを経て『もうひとつの資源戦争』(講談社、1982)で論壇へ。中国ウォッチャーとして多くの著作がある
渡辺惣樹[ワタナベソウキ]
日本近現代史研究家。北米在住。1954年静岡県下田市出身。77年東京大学経済学部卒業。30年にわたり米国・カナダでビジネスに従事。米英史料を広く渉猟し、日本開国以来の日米関係を新たな視点でとらえた著作が高く評価される。著書に『日米衝突の萌芽1898‐1918』(第22回山本七平賞奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
40
前回の加藤陽子『それでも、日本人は…』との接点を探りつつの読書でしたが、何を歴史の動因として取り上げるかで、こんなにも記述の仕方が変わるものかと思った次第です。ごく単純にいえば、加藤本では近代日本の戦争の起点を主として国内の情勢に置き、それが基本的に膨張主義であり、その結果戦争が引き起こされたとしているのに対して、本書では、維新以降の歴史は、わが国内の政治情勢と共に、英米を始めとする諸外国のいわば思惑の連鎖が歴史の流れを作ってきたとする。思惑の中には、F.ルーズベルト大統領とその周辺の政策担当者の政治的→2021/08/14