内容説明
中国は易姓革命の国である。歴代国家は、全て前の王朝を否定することで、自己の正当性をアピールするのである。故に、自己の残虐さを糊塗するために、前皇帝をさらに暴虐に描くし、自ずと悪となる。日本の天皇が万世一系で、その時の権力者が、とりあえず天皇を尊び、元首としてきたこととは根本的な違いがある。皇帝権力の本質に迫る悪の叙事詩。
目次
酒池肉林―皇帝を堕落させた悪女の系譜
不老不死―「死」を超克しようとした始皇帝
人肉食―復讐か美食か、禁断の食材
頽廃―国政に無関心な皇帝の末路
暗愚―民なき王朝の行き着く先
廃位―外敵より恐ろしい宮廷内闘争
美男―必ずしも幸運とは言えない彼らの人生
悪妻型皇后―かくも恐ろしき大悪女たち
良妻型皇后―利権に群がる外戚を抑える
名医―世界最先端医学を持っていた中国
直情径行―故事「完璧」「刎頚の友」の背景
世界を手中に―四大発明を興したはずが
聖人君子―大陸に咲いた奇跡の花
愛欲背徳―王朝の最後に必ず現れる暗愚王
無勢が多勢を―烏合の衆と化す中国の病巣
毛沢東と習近平―歴史は繰り返す
著者等紹介
塚本青史[ツカモトセイシ]
1949年4月、倉敷生まれ。大坂で育つ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務しながらイラストレーターとしても活躍。78年及び81年の『年鑑日本のイラストレーション』(講談社)に作品の掲載がある。89年、小説推理新人賞(双葉社主催)の最終候補となり、小説家に転向。96年、『霍去病』(河出書房新社)が一躍注目を浴び、文壇にデビューする。12年、『煬帝』(日本経済新聞出版社)で第1回歴史時代作家クラブ賞作品賞を、14年、『サテライト三国志』(日経BP社)で第2回野村胡堂文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
香菜子(かなこ・Kanako)
ぽっぽママ
まえぞう
sonsofmarket
いつま