内容説明
日本国民は七十年間「平和ボケ」で過ごすことができた。しかしそれがいよいよ、そうはいかない極めて厳しい「危機」が日本の周辺で発生している。
目次
第1章 二十世紀の教訓
第2章 『戦争論』を読む(クラウゼヴィッツとその時代;『戦争論』の理論と枠組み;「戦史」の持つ意味;レーニンの注釈;『戦争論』をめぐる評価)
第3章 政治に左右された「軍事研究」(米国の場合・読まれなかった『戦争論』;旧ソ連の場合・崩壊した軍事的伝統;ドイツの場合・戦前の伝統を継承;日本の場合・古典としての『戦争論』)
第4章 歴史が語る戦争と軍隊(軍隊の歴史;核兵器開発競争の終わり;植民地解放闘争の教訓)
終章 『戦争論』の役割は終わった
著者等紹介
長谷川慶太郎[ハセガワケイタロウ]
1927年京都府生まれ。大阪大学工学部卒業。業界紙記者、証券アナリストを経て、現在国際エコノミストとしてメディア全般にわたり活躍。経済メカニズムの本質をつかみ、世界の構造的転換を鋭く分析してきた。軍事問題の専門家としても知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たかひー
3
★★★ クラウセヴィッツの戦争論を下敷きに述べている。多少現実認識がどうかと思うところもあった。2015/05/06
ゆうぼう
2
平和ボケした日本人のための戦争論。といいつつ、『戦争論』はもはや古典であるそうで。。。読んでいるこっちがボケそうなぐらいの作品でしたねえ。東アジアにおける緊張した国際情勢なんかを受けての何らかの示唆があるのかと思ったわたしがバカでした。2014/10/13
arinoko1979
1
私があまりにも平和ボケしすぎているのかなぜこの本が「平和ボケした人間に「対する」戦争論」と呼べるのかよく分からず。 確かに書いていることはごもっともであり面白くもあり勉強にはなるのだが。 あと「本編は最近の情勢を反映しているのだろうか?」と疑問に思ってしまう。 まえがきは2014年5月となっているのだが。 シリア情勢、ロシアVSウクライナ、イラクの混迷などを見ると長谷川氏が唱える「21世紀は米国が圧倒的な力を持つから安定する」が本当なのかと。 頭の悪い私としては摩訶不思議な本でした。 2014/06/09
terbagus
0
戦争の時代から平和の時代になって、戦争の時代の理論であった戦争論を下敷きにした一党独裁体制の維持が困難になった、従って中国はソ連と同じように崩壊せざるをえないし、この平和がアメリカの武力の下の平和のため、アメリカに逆らうものはすべてテロリストになる、という氏の意見で、最近の世界情勢がなんとなくわかる。しかし、リベラルが時代に逆行するのはわかるのですが、自由主義が行き着くところまで行くとガラガラポンになる気もするのですが。2014/10/24