内容説明
29歳の誕生日を迎えたばかりのジェームズ。しかし、末期ガンに冒された彼に残された時間は多くなかった。ジェームズは、三人の親友、デイヴィー、ビル、マイルズを誘って“世界で一番好きな場所”、ウェールズ地方のバラファンドル湾へキャンプ旅行に出かける。しかし、体力が衰えつつあるジェームズをカートに乗せ、男だけの気ままな旅は思わぬトラブルとケンカの連続。やがて、それぞれが抱える葛藤や本音がさらけ出されていく―。そして、目的地を目の前にしてジェームズの病状が悪化。彼はみんなの制止を振り切り、激痛に苦しみながらも前へ進もうとするが…。過酷な道のりの末に辿り着いたその場所で、ジェームズが明かしたこの旅の真の目的とは―。
著者等紹介
シヴェル,ヴォーン[シヴェル,ヴォーン] [Sivell,Vaughan]
10代で俳優としてデビューしたのち、テレビやラジオのコメディ・ライターとしても活躍。2007年、映画製作会社“ウェスタン・エッジ・ピクチャーズ”を立ち上げる。当時“Barafundle Bay”のタイトルで書かれた『僕が星になるまえに』の脚本が業界で高く評価され、“Brit List of 2008”に選出された
佐野晶[サノアキラ]
東京都生まれ。大学卒業後、7年の会社勤務を経て、フリーのライターとして映画関係の著作に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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豆茶
1
語学力皆無にもかかわらず、映画UK版DVDを購入するという無謀をやっちまったので、その手引きとして読みました。映画のラストが結構衝撃的だったんですが、ノベライズを読んで、また見方は変わりそう(でも、問題のシーン「ハムレット」のオフェーリアを連想したのは、まるっきり見当ハズレというわけではなかったかも)。テーマはかなり重いです。もし、自分がジェームズの立場だったら、友人の立場だったら……いずれにしても辛いなあ。2013/10/26
山内
0
映画を観た後すぐに読んだ。最後の“暗示”、映画を観た時は全く気付かなかった(私はすぐ重要なものを見落とす…)のでびっくりした。映像では少し駆け足だった場面も文章できちんと補完されているので、例えばデイヴィーの献身的な行動などはとても分かりやすい。オフショット写真がまた良いなあ。彼らの強い友情は是非映像でも感じてほしい。2013/12/24
makura
0
映画観賞後の補完で読みました。映画では気づかなかったジェームズの最後の描写にはびっくりした。死を扱った作品なのに暗い気持ちや悲しい感情に浸るのではなく、自分の仕事や友人関係など日常の生活について深く考えさせられる作品だった。2013/11/21