目次
第1部 まず、日本経済をミクロにみる(長谷川慶太郎)(ソニーやパナソニックはもう生き残れなくなった;日本の自動車メーカーの統合がさらに進んでいく;アメリカの新特許制度が日本の大きな追い風になる;日本企業も年齢や国籍を問わない通年採用へと転換;電力会社の発送電分離を行えば、電力の質が低下する;原発に依存できない日本の電力を救うLNG発電;LCCとの戦争にさらされて新幹線運賃も下がる;勉強をしない経営者が淘汰されていくのがデフレ時代;イランの暴発で第三次石油ショックが起こるわけがない)
第2部 長谷川慶太郎VS三橋貴明 激論―日・米・欧・中はこうなる(ユーロ危機の現状と今後;二〇一二年に中国は崩壊する!?;消費低迷の中で製造業復活を図るアメリカ;知恵で生きる日本の厳しい国家財政)
著者等紹介
長谷川慶太郎[ハセガワケイタロウ]
国際エコノミスト。1927年京都生まれ。1953年大阪大学工学部卒。新聞記者、証券アナリストを経て1963年独立。1983年『世界が日本を見倣う日』で第3回石橋湛山賞受賞
三橋貴明[ミツハシタカアキ]
作家・経済評論家。1969年生まれ。東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。外資系IT企業などを経て、2008年企業診断士の資格を取得し独立。企業のコンサルティングに従事する一方、各国の経済分析や著作活動も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴァン
7
二人のアナリストによる世界経済を分析した予測本。ただし、2012年の版行で古い。この本で長谷川慶太郎は2012年に中国崩壊と断定する。しなかったから、予測は外れたとみるか、中国の問題が内部にますますうっ積しているとみるか、現況に照らし合わせての判断だろう。また、ユーロ圏はドイツの為に存在している、というのは分かりやすい。各国がドイツに飲み込まれていくことで、ナチスも出来なかった覇権が成功していると。このあたりは、経済の怖さである。2021/10/09
たろいも
4
結果論だが、激変はしていなかった2012年本。ここからは独自の考えだが、来年5G世代が来る、中華系が日本を牛耳ってきてるのはもう身近に感じているのではないか?ヤフーがソフトバンク、PayPayやタオタオ、それに携帯メーカーはほとんど中国メーカー。来年はキャッシュレスに続きカードレス、当たり前にに中国産の何かを使っている時代、それが2020年でしょう2019/12/02
カインズ
4
【日本と世界の行く末】長谷川氏が寄せられた質問に対して回答する第一部と長谷川氏と三橋氏の対談の第二部でなる一冊。対談では、アメリカと中国、EUの行く末や日本の将来について議論がされている。EUにおけるナショナリズムの考え方の違いや、中国の将来について軍事的側面からも検討する長谷川氏の考えが興味深かった。日本の将来については、三橋氏の見解が光る。デフレが続くとし、消費税増税による財政再建を唱える長谷川氏に対して、データに基づき消費税増税でかえって税収が減ってしまうと主張する。もっと対談の分量が欲しかった。2012/04/09
tamashi
4
私は三橋氏と同世代ですが、40歳以上年齢差のある長谷川氏に対し、三橋氏が教えを請う的な構成になっています。ユーロは断じて潰れない とか 中国崩壊は2012年に起きる とか オバマの再選はない とか 長谷川氏が言い切っていることが刺激的でした。また最終章の日本のところでは、デフレ対策、消費税等で三橋氏が結構 応戦していたのが、頼もしかったです。2012/04/08
マチコ
3
面白かった!違う視点で世界を見ている二人の、世代も違う二人の、長老の賢人と新鋭の賢人の対話ということで、かなり面白く興味深く読ませて頂きました。「全く同じ考えの人などいないのだから、中庸で良い所を探していかなくてはいけない」との考えをお持ちの三橋さんの、柔軟な人柄を感じる一冊です。長谷川さんの年配者としてのお考えに対する敬意と、頑なにならず謙虚に聞く姿勢を保ちつつも持論をぶつけていくバランス人間三橋さんに対する敬意とをもって、拝読致しました。2012年、中国はいよいよ崩壊するのでしょうか?図書館利用。2012/06/19