内容説明
1932年3月1日、満州国建国宣言。1945年8月18日、皇帝溥儀退位、満州帝国崩壊。夢の大陸に築かれた壮大な“実験国家”の建設から挫折まで。“五族協和”“王道楽土”はまぼろしだったのか?246枚の写真と史料から満州帝国の実像に迫る。
目次
第1章 日本の大陸進出―日本はなぜ「満州」に進出できたのか
第2章 独走する関東軍―エリート軍人たちはどうして満州の地に魅せられていったのか
第3章 満州帝国の建設―傀儡国家建設で孤立化の道を歩み始める日本
第4章 皇帝溥儀と満州帝国―関東軍司令官に従属する新国家のスタート
第5章 五族協和と王道楽土―二つのスローガンは誰のために掲げられたのか
第6章 帝国の崩壊―日本の無条件降伏とともに消え去ったまぼろしの独立国家
著者等紹介
森山康平[モリヤマコウヘイ]
1942年、中国・奉天(現瀋陽)生まれ。ノンフィクション作家。太平洋戦争研究会、近現代史編纂会所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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もくもく
3
本書では、後に満州経営の中核となった満鉄について、その始まりから多角的な事業展開まで、多くのページを割いて解説しています。自動車も飛行機も無い、人馬が主体となってモノを運ぶこの時代に、蒸気機関で動く汽船と鉄道の輸送力がいかに巨大なものであったかを、あらためて考えることとなりました。巨大な輸送の動脈を握ることが、その土地の支配権を握ることにつながる・・・・。そして、会社を経営する延長線上で着想された国家:満州帝国とは、その成り立ちからしても実に不思議な国だったのだと興味を刺激されました。2012/03/14
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