目次
私の検定では、合格にはならない
「口絵」は初歩的な見当違いで通す
「序章 歴史への招待」は議論倒れと右顧左眄
「第一章 原始と古代の日本」は『論語』の無理解に基づく
藤原氏を低く扱って国家構造の原理をぼかす
「第四節 律令国家の展開」でも現象だけ述べて意義と効果に知らん顔
「第二章 中世の日本」には政治の厳しさを知らぬ鈍感さが目立つ
日本には「国学」は無い
近代日本の建設
世界大戦に参加せず信用を失った
財閥を憎み、軍部を恐れ、恐慌を待望する
国際的禁忌を破った独善と制圧
歴史教育を廃止すべきである
教科書批判の先駆け、上杉千年
著者等紹介
谷沢永一[タニザワエイイチ]
1929年、大阪市生まれ。57年、関西大学大学院博士課程修了。専門は近代日本文学、書誌学。現在、関西大学名誉教授。文芸評論、社会時評など幅広い分野で執筆を展開。その歯に衣着せぬ発言には定評がある
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感想・レビュー
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James Hayashi
28
自分も「新しい歴史教科書」を読んだが、それを完膚なきまでに叩きのめしている。歴史的事項の裏付けがなされていないというが、読む人が読めば当然なのであろう。しかし著者自身が言わんとしていることが全て正しいかどうかは怪しい。後半に太平洋戦争でのifを用いているが、それこそ不必要なもの。2019/09/22
goldius
1
歴史教科書問題の元凶は、歴史教育があるからと説いた素晴らしい本。自分の利益しか考えない浅ましい人間を嘲笑う谷沢永一の、純粋に学問を愛する姿勢が素晴らしい。歴史を政治に利用して、自分の利益を稼ごうと企む奴等から歴史学を解放するには、公的教育機関から歴史教科書を廃止しなければいけないのだ!2004/01/17