出版社内容情報
数ある仏の中で最も親しまれ、信仰されている地蔵菩薩-その信仰の発生・伝来・展開・変質の姿を、つぶさに興味深く描いた血のかよった庶民の魂の歴史。<目次>1地蔵の救い 2地蔵信仰の発生と伝来 3平安貴族社会と地蔵信仰 4民間地蔵信仰の成立 5地蔵信仰の民衆的展 はなわ新書49
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紙狸
19
1975年刊行。最近、外国人と東京の下町を歩いていて、道ばたの地蔵について「あれは何?」と聞かれて、しどろもどろになった。勉強しようとこの本を選んだ。地蔵信仰は日本で生まれた伝統だと思っていたが、「地蔵」は中国伝来の仏典にすでに出てくる。衆生の救済、特に地獄の苦まで除く、というのが特徴。中世浄土教が現世価値を否定したのに対して、既存の仏教側からの反論の中で、現世利益をもたらす地蔵が評価された。室町以降は、民衆の現世利益への願望が広く地蔵に託される。夭逝した子供を賽の河原で守ってくれるという信仰も広がった。2022/12/25
toiwata
0
偽経にもとづく信仰の真正性を問うことは意味があるか。2016/09/03