内容説明
古代、万葉人はなぜ和歌浦にあこがれたのか。中世、和歌浦玉津島神社がなぜ京都に勧請されたのか。近世、天下人秀吉は、戦乱のさなかなぜ和歌浦を遊覧したのか。古代から近世までを見つめ直し、和歌浦の新たな歴史を語る。
目次
1 古代史の中の和歌浦(古代の行幸と和歌浦;古代の和歌浦行幸とその景観美;吹上と和歌浦)
2 中世史の中の和歌浦(寺社参詣と和歌浦;新玉津神社と和歌浦;飛鳥井雅永と和歌浦)
3 近世史の中の和歌浦(天下人秀吉と和歌浦;紀州東照宮と和歌浦;六義園と和歌浦)
著者等紹介
寺西貞弘[テラニシサダヒロ]
1953年、大阪府摂津市に生まれる。関西大学文学部史学科卒業(日本古代史専攻)。関西大学大学院博士課程後期課程修了、文学博士。元・和歌山市立博物館館長、有田市郷土資料館学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆうか
2
明日、和歌山県は和歌浦に訪れるつもりなのでせっかくだから読んでみた。毎章のまとめが論理的でわかりやすく、よい。古代から近世に至るまで様々な人が和歌浦に憧れ、夢を見て、関わってきたことを知り、和歌浦が日本を代表する名勝であることを改めて実感した。玉津島神社を京都に勧請したという新玉津島神社にはこの前訪れたが、烏丸大通りの少し中に入ったところですっかり廃れており、藤原俊成の屋敷跡という意味でも歴史的に重みのある場所なはずなのに、もったいないなと感じた。和歌浦は、廃れさせずぜひ後世に残していくべき場所だと思う。2016/06/24