内容説明
『皇国史観』批判を受け継いだ戦後の歴史学界は、ある程度の成果を上げつつも、いまだにそこから脱皮できないでいる部分が多い。海外に永く居住する著者ならではの視点から、『日本書紀』『古事記』の記述を、考古学資料・中国史料・海外の文献などと照らし合わせて徹底的に検証。「否定」から出発しない日本・皇室の成り立ちを探究する。
目次
1 「岩から生まれた男」と「炎から出た神霊」―神武天皇の名前を解きほぐす
2 皇室の祖先としての熊襲・隼人―東南アジア系民族の系譜
3 東征―神武軍上陸地点の謎を解く
4 悲劇の英雄・ナガスネヒコの最後
5 ヤマトは国のまほろば
6 神武天皇の系図を解明する
7 崇神天皇と卑弥呼・台与
8 誰が土蜘蛛・熊襲を征伐したのか?
9 アヅマ(東)の夷平定物語
10 歌物語(古代歌謡)の分析―(附論)英雄時代論争について
11 絶対年代の探究
著者等紹介
角林文雄[カクバヤシフミオ]
1940年大阪市生まれ。立命館大学文学部修士課程修了。1981年オーストラリア・クィーンズランド大学Ph.D.。クィーンズランド大学歴史学科シニア・テューター、ニュージーランド・マッセー大学東アジア学科講師を歴任
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