出版社内容情報
律令国家が人々の交通に対してとった政策を「本貫地主義」としてとらえ、まずその具体的現れを明らかにし、その規制の下での個別的に展開した諸階層の交通実相、それを実現させた社会状況や交通施設、さらに交通実態が政策に与えた影響などを、多くの考古史料や歴史地理学などの成果も取り入れ、当時の国家・社会の実態と変化を動的に解明する。
目次
本書の視点と課題
律令制下の交通と人民支配
関市令欲度関条の復原
律令制下の渡河点交通
関津道路における交通検察
古代国家と勢多橋
久米田橋と古代越前
道と川をめぐる国家と社会
相模国調邸と東大寺領東市庄
東大寺領北陸庄園の稲穀輸送
長屋王家木簡の舞台
日本古代の都鄙間交通
結びとして