内容説明
“ポパイ”や“ミッキーマウス”は漫画のキャラクターとして、わが国では著作権法により保護を受けることはできても、その存続期間はいつまでか。存続期間が満了したキャラクターは、著作権法以外の法律でさらに保護することができるか。実在人物以外の動物や建築物などにもパブリシティの権利が認められ、その所有者は無断使用者に対して救済を受けられるか。各種の知的財産権が交錯するキャラクターの商品化戦略に対する法的保護の方法と対策について、多くの裁判例を紹介して考察する。
目次
商品化権とは何か
漫画キャラクターの商品化
商品化の法的保護―総論
著作権法による保護―各論1
意匠権による保護―各論2
商標法による保護―各論3
不正競争防止法による保護―各論4
漫画キャラクターの使用契約
フィクショナル・キャラクターの保護
実在人物の商品化
パブリシティの権利
パブリシティの権利の裁判例
タレント広告出演契約
非人物のパブリシティの権利
実在人物の商標登録
商品化権問題の国際的動向
商品化権法の確立
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
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日本の、おそらく世界のアニメ業界がまがりなりにも業界としての体裁を保っておられるのは、この権利が存在するからと言っても過言ではありません。既存の知的財産の概念とは違い、個々の作品とは別に、そこから抽出され、多様に転写されて再表現されるその根本、まさに“コンテンツ”であるキャラクターという概念はワンソース・マルチユースそのものであります。アニメを産業として考える上で、法律面でのこの権利の権威である牛木先生の考えは是非とも押さえておきたいものであり、広く関係する論点を網羅する本書は絶好のものだと思います。2015/07/26
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