内容説明
荒廃マンション、見捨てられた土地が都市を蝕む。今、手を打たなければ間に合わない!土地は、本当に「自分」だけのものなのか?“負”動産問題の根源に迫る。
目次
第1章 世界最速で深刻化する日本のマンション老朽化問題―644万戸のストックの行方
第2章 土地が見捨てられる?―「所有者不明土地問題」に見る土地制度の課題
第3章 狭隘道路や私道紛争が無くならないわけ―元凶の「土地所有権」にメスを
第4章 今日的課題の底流(1)―人口動態&都市の構造変化が問題を加速させる
第5章 今日的課題の底流(2)―法曹界内部から見た、日本の法制度の歪みと限界
第6章 縮減時代の土地所有と都市計画はどうあるべきか―都市計画の歴史から紐解く
第7章 近代的土地所有権をつくり上げた明治時代―その功績と実態
第8章 異次元社会・江戸時代に見るユニークな土地所有―持ち主は多元、持ち方は重層
第9章 ドイツはどうやって秩序ある都市をつくったのか―その都市計画と建築・開発活動
第10章 アメリカの縮減3都市の苦悩と戦略―デトロイト、ヤングスタウン、フリントの取り組み
対談 農地再考―農地の所有権問題は、「集落」の存在抜きには語れない
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
薦渕雅春
27
はじめに に「現行の法制度や社会システムは人口増加時代につくられたものであり、人口が減少する縮減社会ではうまく機能しないどころか、問題解決の妨げにさえなっている」と書かれている。第1章から第3章で『世界最速で深刻化する日本のマンション老朽化問題』や『土地が見捨てられる?「所有者不明土地問題」に見る土地制度の課題』や 私道の問題が述べられている。まさに大問題である。後半にドイツの都市計画とかが比較に述べられているが、より参考になるのは、デトロイトやGM発祥の地フリントなどアメリカの縮減3都市の苦悩と戦略か!2020/09/29
りょうみや
22
同タイトル本の連読2冊目。様々な専門家によるオムニバス形式。空き家、空き地、マンション問題は知っているが日本独特の私道の問題はこれまで馴染みがなく新鮮だった。共通するのは日本の強すぎる土地所有権を弱めるしかない。このあたりの法律を欧米を参考にすれば解決するように見えるのだがそう簡単に変えられないのが法律というものということも分かる。2023/05/03
キミ兄
2
マンション建替え組合、敷地売却決議にこんなに問題が潜んでるなんて普通の人は知らない。マンション管理組合関係者必携の書。☆☆☆☆。2019/11/30
ウラー
2
p127「私はこの頃、街づくりに対する日本人の身勝手さに嫌気がさしており、高度成長を果たしながら、日本の市街地のでたらめさ加減は何なのだと憤っていた。」5章執筆者である小澤英明弁護士の思いに強く同意した。無秩序にダラダラと広がる市街地にはウンザリする。土地所有権が強い現行法は、日本が縮減社会に入ったことで機能不全に陥っており、新立法が必要というのが全体としてのテーマ。実体法上の所有権が極めて強い一方、所有者を把握する方法が乏しく、公共の目的であっても、不在地主からの訴訟の恐れがあるため放置せざるを得ない。2019/09/23
takao
1
ふむ2020/02/24
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