J・G・バラードの千年王国ユーザーズガイド

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  • サイズ B6判/ページ数 428p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784826990363
  • NDC分類 934
  • Cコード C0098

内容説明

映画、アート、作家、科学、SF、自伝…。SF界の鬼才初の現代批評コレクション。

目次

映画(性と暴力の甘い香り;リックのカフェの魔法の日 ほか)
伝記(ぶったぎられた伝記;生存本能;おちた偶像;処刑の時間 ほか)
視覚芸術(宴席の幽霊;後宮への逃亡;覗き見の支線;サルヴァドール・ダリのかわいいハチドリ ほか)
作家(後悔の伝説;労働者階級のプルースト;魔法の海;山上の垂訓 ほか)
科学(エレベーターと相対性理論;磁気睡眠;進化の終焉;遺伝子プールの奥深く ほか)
自伝―上海からシェパートンへ(過去の扉を開けて;読書の快楽;シェパートン、過去と現在;ロンドンの第一印象)
サイエンス・フィクション(新しいものほどよろしくない;バック・トゥ・ザ・エキサイティング・フューチャー;内宇宙への道はどちらか?;時間、記憶、内宇宙;コズミック・キャバレー;ありとあらゆるフィクション;大災厄と運命)
エトセトラ(コカ・コロナイゼーション;つまらないネズミ?;非道の都市;不条理のアルファベット;未来の未来;スペースコロニーで発狂した妻の日記 ほか)
9 自伝―太陽の帝国の記憶(私の終戦)

著者等紹介

バラード,J.G.[バラード,J.G.][Ballard,James Graham]
1930年上海生まれ。46年にイギリスに帰国。56年にSF作家としてデビューし、62年に処女長編『狂風世界』を発表。それまでのSFに見られなかった思弁性・文学性を導入し、60年代の「ニューウェーブ」運動の中心人物としてSF界に大きな影響を与えた

木原善彦[キハラヨシヒコ]
1967年生まれ。京都大学文学部卒業、同大学院文学研究科修士課程、博士後期課程修了、京都大学博士(文学)。現代英米文学専攻。2003年現在、大阪大学言語文化部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

澤水月

16
有名な「内宇宙」宣言のほかコカコーラ植民主義、書評として書くヒトラー我が闘争(著者は中程度教育受けたサイコパス・弁論才ある南独人文体・ユリシーズの主人公との類似性、40年しケネデイ暗殺したオズワルドとなって再登場!)。シュルレアリスム絵画への傾倒、精神分析の模索。また遺伝子プールなど現代的話題を聞きに来た記者が美人だからノリノリとか割と軽い笑。91収容所再訪語る記述にいかがわしい者の代表としてトランプの名! 割と自分を語る人物だったとよくわかる。ラスト自伝は深く考えさせられる(コメ続2018/03/29

スターライト

6
バラードがあちこちに発表した書評・映画評・エッセイ約100本を収録した書。彼の関心とものの見方がうかがえ、シュールレアリストや20世紀を代表するテクノロジーとしての自動車への傾倒、殺人や暴力への並々ならぬ興味にふれることができる。一番印象に残ったのは、巻末に収められた『太陽の帝国』の抜粋のような「私の終戦」というエッセイ。バラードが、日本への原爆投下を肯定的に見ていたことにちょっと驚いた。未読だがオールディスの「リトル・ボーイ再び」も同じような立場で書いたものだろうか。原爆投下の評価は難しい。2011/09/17

gu

4
「真のSF小説の第一号は(中略)記憶を失った男が浜辺に横たわり、錆びた自転車の車輪を見つめ、その車輪と自分との関係のなかにある絶対的本質をつかもうとする、そんな物語になるはずだ」 以前読んだこの文章がバラードにハマるきっかけだった。人物、事件、科学、芸術、SF、そのどれもが書評というフィルターを通してしか語られていないのが興味深い。SFの枠に収まらない想像力を持ちながら、同時にその資質がSFと不可分のものであったがためにSF自体を変質させてしまった作家、それがバラードだと思う。2012/11/13

enola

2
足掛け2年ぐらい少しずつかけて読んだ。二〇世紀最高の知性の持ち主の1人がテレビ番組について語る口調は何か笑えるのだが、あらゆる意味で不健全で不健康、にもかかわらず卑猥にも卑小にもならないのは、言葉の選び方が思想のフレームの両輪として非常に有効に機能しているから、と言いたくなる。それだけに交通事故の話は印象的。そして少年時代の日々の観察眼からしてバラードは既にバラードだったのだ。2010/12/28

kimumaki

2
『J・G・バラードの千年王国ユーザーズガイド』を読む。J.G.バラードが20年間に書いた書評・エッセイ等を一冊にまとめた本。様々な本・映画etcのために書かれた文章を通して20世紀を振り返れる興味深い内容。書いている姿勢がブレていないせいか、かなり昔に書かれた文章にも古臭さを感じない。学生の頃、名作と呼ばれる本を片っ端から読んだのは、今思えば良くなかった。それ相応の年になってからの方がきっと理解できたはずと語る筆者の言葉に読んでいない本を読むのに遅い事はないという希望を感じる。2006/04/18

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