内容説明
記憶能力を奪われたヘンリー・M。彼が脳研究にもたらした最新の成果を軸に、科学と哲学の両面から、記憶のメカニズムの全貌を描きつくす。
目次
記憶を取り去られた男
実験と忘却
ウミウシの神経細胞
記憶の誕生
文字の発明
記憶術
記憶の劇場
ライプニッツとデカルト
世紀末=記憶の新時代
プルーストの回想
ミスター・Mの記録
脳除去手術〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきのすけ
1
この本はぜひ多くの人に読んでもらいたい。作品としての素晴らしさはもちろん、心理学や記憶についての歴史がわかるし、臨床実験の結果として、長期記憶を持つことが出来なくなってしまったヘンリー・モライゾンさんの生涯を読むことによって、彼がもたらしてくれた以後の医療に対する大きな教訓を学ぶことが出来る。ロボトミー手術によって人生が大きく変わってしまった彼。短期記憶しかないその彼の時間感覚。どれも驚きなしには読むことができない。2011/07/16
津島澪
0
小説なのか、学術書なのか、エッセイなのか、すごく曖昧。脳科学のデータとしては、少し古いかな? ただ、最後の3章はすごく興味深かった。記憶が広がっていくって、ある意味怖いなぁと思う。2012/07/25