内容説明
溺れてから5時間後に息を吹きかえした女性、冬眠状態で3週間飲まず食わずで生きぬいた男性…奇跡の生還を科学的に再現しようとする試みが、近い将来あなたの死をリセットする!?
目次
第1章 命の限界を探って
第2章 自殺に適したアムステルダム―蘇生術誕生
第3章 アイスウーマンの秘密―蘇生科学の常識を疑う
第4章 人工冬眠―命の一時停止は可能か
第5章 不死を目指すクライオノーツたち―凍結保存という選択
第6章 あなたが救命処置をする日
第7章 曖昧になる生と死の境界
著者等紹介
カサレット,デイヴィッド[カサレット,デイヴィッド] [Casarett,David]
ペンシルヴェニア大学ペレルマン医学大学院の教授であり、医師、研究者でもある。「若手科学者・エンジニア大統領賞」受賞。フィラデルフィア在住
今西康子[イマニシヤスコ]
神奈川県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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お昼寝ニャンコ
10
図書館本。蘇生科学という耳慣れない言葉に興味を持ち読了。翻訳本に良くある読みにくさは全く無く、軽妙な語り口と頻繁に差し込まれた著者のユーモアで《生と死の瀬戸際の話》という重いテーマにもかかわらず、非常に楽しく読み進むことが出来た。過去の奇跡とされた生還の事例、過去に行われた実験、現在の蘇生に関する研究の最前線、蘇生科学の未来への期待と展望などが語られている。CPR訓練を受けた私には救命救急のリチャードとギャレットの話が印象的だった。【助けられるか?】と【助けるべきか?】は似て非なるものなのだ…(>_<) 2016/04/05
coldsurgeon
4
蘇生術という医療行為は、ごく当たり前のことであり、その存在意義そして科学的根拠について、あまり考えてみなかった。しかし、蘇生術の進歩そのものが、医療の侵襲性に対する医師のモラルハザードを崩していることには気づいていなかった。蘇生術は、人によっては、救命というよりは、その死に方を変えているのに過ぎないのかもしれな。救命救急にかかわる人は一読すべき。2016/04/15
wasabi
2
十八世紀のオランダから始まる蘇生術の歴史、現況を踏まえつつ、冷凍保存などSFにはお馴染みのテクノロジーを用いた未来への展望までを見据え、最終的に「我々はいかに死ぬか」という倫理の問題まで踏み込む。イーガンが「ボーダー・ガード」や「適切な愛」で書いたように、「死なない」ことについて考えることは「いかに生き続けるか」の問いでもあるのだ。ただそんな難しいこと考えんでも、自分がCPR(心肺蘇生処置)をする場面に遭遇したら人口呼吸よりもまず胸骨圧迫などの実践的な知識、冬眠する生物の生態など、単純に読んでて楽しい。2016/03/07
takao
0
ふむ2018/01/13
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