内容説明
こんな生きものは実在する?水が要らない生物、ヒ素を食べる生物、メタンを飲む生物、水素で膨らむ風船生物、雲型の知的生命、恒星で暮らす生物…最新科学を駆使して、生物の多様性と可能性を探る!
目次
第1章 極限環境生物
第2章 影の生物圏
第3章 生物を定義する
第4章 ゼロから始める
第5章 奇想天外生物の世界
第6章 彗星からの生物、恒星の生物、そして、はるか未来の生物
第7章 知的な奇想天外生物
第8章 SFにおける奇想天外生物
第9章 多宇宙の奇想天外生物
著者等紹介
トゥーミー,デイヴィッド[トゥーミー,デイヴィッド] [Toomey,David]
マサチューセッツ州立大学アマースト校准教授。プロフェッショナル・ライティング#テクニカル・コミュニケーション課程のディレクターを務める
越智典子[オチノリコ]
作家、翻訳家。東京大学理学部生物学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
182
いまだ発見されていない我々と共通祖先をもたない生態系を考察する本。極限環境生命など、実在の生命も紹介されるが本書のテーマはそれとは異なる。地球内の影の生態系や地球外環境の生命。火星、金星、木星、タイタン、エウロパ、エンケラドゥス。はたまた恒星に住む生命に中性子性やブラックホールの外縁、さらには思考する星雲に物理法則の違うマルチバースにまで考察が進む。SF作家を超えて現役の学者が考えるのだからたまげたものだ。行きつくところはシミュレーション生命。ボストロムのシミュレーション仮説も紹介される。2020/06/04
starbro
62
生物学の本は不定期で読んでいます。デイヴィッド・トゥーミー、初読です。ネス湖のネッシーから育ってきた世代なので、地球上の未知の生物の話かなと思っていたら、宇宙にまで拡がる壮大な生物論でした。邦題の「ありえない」が良くないかも知れません。これだけ学問が進歩していても、未だに「生物」の明確な定義すら確立していないなんて、ビックリです。生きている間に地球外生物はみつかるのかなぁ?2016/04/16
宇宙
19
生命の可能性を掘り下げた本。地球上で知られた極限生命の他、考えうる他の化学反応による生命。地球外、例えば太陽系内の他の惑星、衛星の大気や海での生命の可能性。さらには生命の定義についても考察する。ブラックホール生命、中性子性生命、さらには別の次元の生命など。2020/09/10
GASHOW
11
人類は、地球上の生物の数を把握していないどころか、生物の定義を決めることも難しい。地球上に存在した種は300億種とも概算があるが、これもよくかっていない。顕微鏡の発明により微生物の存在を知ることができたが、細菌のような小さなものやウイルスのようによくわからないものもある。熱水鉱床に生きるものいたり、地下にも存在する。生き物を考えると宇宙環境を考えることになる。2017/08/07
action
9
☆3 下手なSFよりもずっとワクワクさせてくれる♪極限環境生物から始まり、地球外生命や奇想天外生物(ありえない生きもの)、それにシュミレーション生命等々。更に宇宙の成り立ち、人の存在や行き着く果て等。様々に対しての科学者らの考察、科学の辿ってきた歴史について書かれていて本当に面白かった。読みやすく書かれていると思うが、科学の素養が低くて自分は考え考え読まなくちゃならなかった。2016/09/28