内容説明
地球に存在した20種以上の人類の仲間のなかで、なぜヒトだけが生き延びることができたのか…古人類学の第一人者が数々の新発見とともに語る壮大な人類の物語。
目次
プロローグ 気候が歴史の流れを変えたとき
1 絶滅への道は善意で敷きつめられている
2 人はかつて孤独ではなかった
3 失敗した実験―中東の早期現生人類
4 一番よく知っていることに忠実であれ
5 適切な時に適切な場所にいること
6 運命のさじ加減―ヨーロッパの石器文化
7 ヨーロッパの中のアフリカ―最後のネアンデルタール人
8 小さな一歩―ユーラシアの現生人類
9 永遠の日和見主義者―加速する世界進出
10 ゲームの駒―農耕と自己家畜化
エピローグ 最後に誰が残るのか?
著者等紹介
フィンレイソン,クライブ[フィンレイソン,クライブ] [Finlayson,Clive]
1955年生まれ。ジブラルタル博物館館長、トロント大学客員教授。長年にわたってジブラルタルにあるゴーラム洞窟の調査を続けているネアンデルタール人研究の第一人者
近藤修[コンドウオサム]
1965年生まれ。東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
70
再読本。だけど覚えのない事多かった。今回もだいぶ目が滑った。(´๑•_•๑)。でも、著者の言いたい事は、ネアルデルタールをはじめとしたサピエンス以外の人類も、良い環境に恵まれれば、現存した可能性は充分にあるって事かな? って事は、我々サピエンスとネアンデルタールシスが共存する世界があったのかな?と。 しかし儂の知るサピエンスの歴史と貧困な想像力では、オンラインに書くには憚られる予想をしてしまうのう(´•ω•̥`)。 お隣りにネアルデルタールさんが住んで居たら楽しいけど。 2020/05/17
やいっち
32
著者はネアンデルタール人の専門家。研究データを幅広く渉猟し、安易な図式的理解に走らない姿勢が好感を持てる。その分、結論めいた見解を求めたがる史郎にはもどかしいが、実際、分からないことも多いのだろう。なんといっても、いくら遺伝子解析が力を持ってきたとはいえ、最後は遺跡の発掘がものを云うのだ。著者は適切な時に適切な場所にいる事こそが進化の切っ掛けになり、逆に適切過ぎると今度は環境変化等々に対応できず滅びていくこともある。我々は、むしろたまたま生き残ったに過ぎないのかもしれないと語る。2018/07/28
まーくん
32
最近、この手の本をよく読むような気がする。やはり自分の素性を知りたい思うからかな?はるかな太古に誕生した「生命」の綿々と続く系譜の末端に位置する者として。本書は現生人類がいかにして生息地を拡げていったかを物語る。繰り返される気候変動の荒波に、絶滅の危機を乗り超えることができたのは、生息環境の中心を占めボーとしてた集団(コンサバティブ)ではなく、不本意ながら周縁に追いやられ厳しい環境に対すべくもがいた集団(イノベータ)であった。そして大切なのは適切な時に適切な場所にいること。でもそれは能力と運に支配される。2018/05/27
魚京童!
31
我々は虐殺してきた民ではなかったらしい。2014/07/26
宇宙猫
24
挫折 生き残った種と気候の関係などが説明されていて途中までは楽しく読んだのだけど、読みかけで時間をあけたら辛くなってしまった。一気に読めば良かったと後悔。2016/01/02