内容説明
ルネサンス期から変わらぬ職人の技、木材やニスにまつわる伝説、ストラディヴァリとグァルネリを愛する演奏家たち。アイザック・スターンやヨーヨー・マが愛した現代最高の職人サム・ジグムントーヴィチ。彼はストラディヴァリを超える楽器をつくれるか?製作現場から見えてくる「魔法の箱」の豊穣な世界。
目次
魔法の箱
弦楽器製作者
爺さん
ヴァイオリニスト
歌う木
伝統と個人の才能
バッハと言葉の問題
小さくなればなるほどより大きな注意を
何が本当にわかっているのか?
クレモナに行く
ニスと非常に興味深い秘密
引き渡し
耳の下で聞こえるもの
終章
著者等紹介
マーケーゼイ,ジョン[マーケーゼイ,ジョン][Marchese,John]
ニューヨーク・タイムズなどに寄稿し、最優秀雑誌賞も受賞したジャーナリスト。ニューヨーク在住
中島伸子[ナカジマノブコ]
国際基督教大学教養学部人文科学科卒業。貿易会社、編集プロダクション勤務を経て、現在、翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bartleby
10
ニューヨーク在住のヴァイオリン職人サム・ジグムントーヴィチに密着。本書の主題のひとつは、ストラディバリウスやグァルネリといったオールド・ヴァイオリンの名器に匹敵する、あるいはそれを凌ぐ楽器は果たしていまの技術と木で作り出せるのか、という問題。"コピー"は"オリジナル"にどこまで近づけるのか。弾きこまれるほどに音色が良くなるというヴァイオリン。いわば時の力に対する挑戦でもある。ニスひとつから分析に分析を重ね、時を惜しんで格闘する職人の執念には舌を巻く。2022/10/13
とらやん
1
こんなに技術や科学が発達したのに、 250年前に作られたストラドやグァルネリより、 優れたバイオリンが作れない(或いはそう信じられている)なんて不思議だなあ。 TV でストラドと10万円のバイオリンの弾き比べをやってたけど、 ワシにはよく分からなかったぞ。 TV のスピーカーだからかなあ。 いずれにせよ、プロの頂点の話しですね。 そして今でも、250年前のストラディヴァリを超えるべく 切磋琢磨しているヴァイオリン職人の 不思議な世界の話しである。2012/04/28
qoop
1
ストラディヴァリやグァルネリといった伝説の名器と、現代の匠が作った新作は、どこがどう違うのか。大きな値段の差は何に依るのか。ヴァイオリンの製作過程を追うことで、伝説の真相に迫っていく著者。本書の記述のどこを結論と捉えるかで、理解は大きく変わるだろう。それによって耳に届く音楽が変わるわけではないのだが、しかし…2011/06/07
とかねね
0
著者はトランペット奏者でありジャーナリストでもありますが、弦楽器は門外漢。そのため、専門家でなくても分りやすいようにヴァイオリンづくりの過程を書いていきます。著者がヴァイオリンに興味を持ったころ、ヴァイオリン職人のサム・ジグムントーヴィチはユージン・ドラッカーからの依頼を受け、ヴァイオリンを製作するところでした。彼のこだわりは木から始まり、仕上げのニスまで手を抜きません。サムの目標は偉大な職人ストラディヴァリを超える職人になること。完成したヴァイオリンはユージンのもとに届けられ・・・。2016/08/28
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