内容説明
鎌倉時代末期、幕府の政治支配に抗して“悪党”と呼ばれた楠木正成は、河内南部の中世的世界を比類なき武力によって縦横無尽に疾駆して時代の寵児となった。同時代史料の緻密な分析から、その実像を解き明かし、地方史研究の新たな手法に基づく研究成果を集成する。
目次
第一部 悪党の系譜(楠木合戦と悪党の系譜;楠木一族の名字をめぐって;楠木合戦と石川源氏・坂戸源氏―壺井・山城氏は石川源氏にあらず―)
第二部 中世寺院考 続 河内金剛寺の中世世界(八条院祈願所金剛寺の性格と位置;金剛寺坊舎の性格と展開;金剛寺の湯屋坊をめぐって;金剛寺の常住規制と女人住山;金剛寺の白炭免と院主・寺僧・寺辺領主―金剛寺をめぐる悪党状況;上乗房禅恵の血脈と人脈)
第三部 地域史を考える(中世前期の高野参詣とその巡路;河内国木屋堂考;中世長野谷の町場の形成について―「大日寺遺跡」と「三日市遺跡」をめぐって―)
著者等紹介
堀内和明[ホリウチカズアキ]
1946年京都市生まれ。1970年立命館大学文学部史学科日本史専攻卒業。卒業後、2010年まで大阪府立高校の教諭。文化財関係の各種委員を歴任。卒業後、一貫として日本中世史、特に和泉・河内の中世地域史の研究を2020年鬼籍に入られるまで続ける
尾谷雅彦(雅比古)[オタニマサヒコ]
1953年大阪府生れ、桃山学院大学経済学部卒業、関西大学大学院博士課程後期修了。(財)大阪文化財センター・河内長野市教育委員会、2013年退職。現在、立命館大学非常勤講師・桃山学院大学エクステンションセンター講師。専攻は日本考古学及び文化遺産学、文化財行政史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。