出版社内容情報
『東方見聞録』でもその存在を知ることができるヤシ酒の全貌を緻密な現地取材で紹介しながら、科学的分析を通して樹液の謎に迫る。汲めども尽きぬ、ヤシの酒・・・・・・
マルコ・ポーロの『東方見聞録』でその存在を知ることができるヤシ酒。ヤシの幹に傷を付けて採取した樹液が自然発酵してできた酒だが、その事実は意外と知られていない。
ヤシ酒を試飲してみたが、これが何と表現したらいいかわからないほど美味。初めてヤシ酒を飲んだ人はあまりの美味しさに酔い痴れたのではないかと思う。
緻密な現地取材で、ヤシ酒の原初的な採取から、自然発酵をへて醸造・蒸留される過程を明らかにし、ヤシ酒をめぐる秘伝をとその全貌を紹介する!
プロローグ
第1章 ヤシ酒との出逢い
スリランカの紅茶とヤシ糖/ヨーグルトとヤシ蜜/スリランカはヤシ酒の国/ヤシらしからぬキトゥルヤシの姿/キトゥルヤシの酒/パルミラヤシの酒/ココヤシの酒/プレオナンシックとハパクサンシック/植物の導管と篩管/導管流の原理/篩管流の原理/甘い樹液は篩管液/ヤシ樹液の醗酵…/ヤシ酒の醗酵は続く/アラックの味/北のブドウ酒と南のヤシ酒/別れ
第2章 各国のヤシ酒
インドネシアはイスラム教国だった/サトウヤシからつくるヤシ糖/サゴ澱粉の製造/家内工業でつくるヤシ糖/屋の掘出物/ボロブドール遺跡とヤシ糖/ついにマルコ・ポーロの酒を飲む/スマトラ島のヤシ酒/タイのヤシ酒/タイのヤシ糖/ヤシ樹液の変質防止/フィリピンのヤシ酒/ヤシ酒は高級スーパーにない/ヤシ酒の産地ラグナ州リリウ/インドのヤシ酒/その他の国々/幹頂部からの採液法
第3章 スリランカ再訪
樹液の謎を解くヒント/ネゴンボの居酒屋/ココヤシ研究所/ココヤシの採液法/国道の居酒屋/パルミラヤシ開発局/パルミラヤシの採液法/ヤシ酒蒸留工場/ヤシ酒職人の親子/キトゥルヤシの採液現場/キトゥルヤシの採液法/ミグ二五戦闘機がとりもつ古い縁/植物遺伝資源センター/三〇〇年前のヤシ酒製法/キャンディ地方のヤシ酒とり/再会
第4章 不思議な樹液の謎に迫る
ヤシ酒に残った最後の謎/植物の光合成/光合成産物の供給器官と受容器官/受容器官における蔗糖/供給器官と受容器官の相互関係/研究用篩管液の微量採取方法/篩管液が大量にとれる植物は希有/シュロの樹液採取/樹液流出をめぐる百家争鳴/導管や篩管は傷がついても漏れない/ヤシの篩管も本来は漏れない/ヤシの篩管に何が起こるのか/樹液流出は篩管制御系の異常
エピローグ/著者あとがき/参考文献
濱屋悦次[ハマヤエツジ]
著・文・その他
内容説明
マルコ・ポーロの『東方見聞録』でその存在を知ることができる“ヤシ酒”。ヤシの幹に傷を付けて採取した樹液が自然醗酵した酒である事実は意外と知られていない。ヤシ酒の全貌を緻密な現地取材で紹介しながら、科学的分析を通して樹液の謎に迫る!
目次
第1章 ヤシ酒との出逢い(スリランカの紅茶とヤシ糖;ヨーグルトとヤシ蜜 ほか)
第2章 各国のヤシ酒(インドネシアはイスラム教国だった;サトウヤシからつくるヤシ糖 ほか)
第3章 スリランカ再訪(樹液の謎を解くヒント;ネゴンボの居酒屋 ほか)
第4章 不思議な樹液の謎に迫る(ヤシ酒に残った最後の謎;植物の光合成 ほか)
著者等紹介
濱屋悦次[ハマヤエツジ]
1929年東京都生。東京大学農学部卒。農学博士。専攻は植物病理学、植物ウイルス病に関する研究で日本植物病理学会賞受賞。農林水産省在職中は各種作物病害の研究に従事、東京大学大学院講師、科学技術会議専門委員(組換DNA分科会担当)を兼務。農林水産省退職後は日本女子大学講師、東京バイオテクノロジー専門学校講師など。各地の食文化について情報収集中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。