出版社内容情報
個々人が孤立した社会から隣人が助け合うことが当たり前の社会を取り戻すための、防災士や障害者による、共助の実践者たちの発言集。社会を構成する集団のあり方が大きく変化してきた。最新の統計では、単身世帯の割合が三分の一を越え、男性の生涯未婚率も25%を越えた。多くの人びとは一人で暮らし、隣人がどんな人かも知らずに過ごしている。それにもかかわらず、物質的な豊さとインターネット技術の発達によるSNS等の新しいコミュニケーションツールの普及によって、不満や孤独を感じていない。
しかし、災害時や急病のような危機に陥ったとき、手を差し伸べられるのは画面の向こうにある友人ではなく、名前も知らない隣人である。身近に居る人々が助けあう「共助」は互助関係において、もっとも重要な段階であるが、今、そうした世間が失われつつある。
個々人が孤立した社会から共助が当たり前の社会を取り戻すためには、始めの一歩を各人が踏み出さなければならない。そのためには何を知り、どのような声を挙げるべきか。防災士や障害者による、共助の実践者たちの発言集。
はしがき(中尾良信)
こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した(鬼丸昌也)
すべての命に花マルを――生きることに他者の承認はいらない(朝霧裕)
互いに知り合う防災(阪口青葉)
児童虐待――対応側からの考察(川並利治)
三鷹事件――竹内景助氏の主張の変遷(脇中洋)
沖縄の神話・伝説――本土からの南下と環太平洋からの影響(丸山顕徳)
日本の宗教教団と原発(島崎義孝)
花園大学人権教育研究センター[ハナゾノダイガクジンケンキョウイクケンキュウセンター]
目次
こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した
すべての命に花マルを―生きることに他者の承認はいらない
互いに知り合う防災
児童虐待―対応側からの考察
三鷹事件―竹内景助氏の主張の変遷
沖縄の神話・伝説―本土からの南下と環太平洋からの影響
日本の宗教教団と原発