うつ病から相模原事件まで―精神医学ダイアローグ

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うつ病から相模原事件まで―精神医学ダイアローグ

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  • サイズ B6判/ページ数 183p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784826506571
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0047

出版社内容情報

精神科医療界の「常識」と「タブー」を覆し、相模原事件をテーマに精神科医療と治安政策を考察する。精神科医療における強制治療はあくまでも「必要悪」である――精神科医療界の「常識」と「タブー」を覆し、相模原事件をテーマに精神科医療と治安政策を考察する。
――私は、そもそも隔離・拘束も、強制入院も、電気けいれん療法も、それどころか薬物療法すら好きではありません。患者さんを縛ったり、閉じこめたり、無理やり入院させたり、電気ショックをかけたり、そんなことがしたくて精神科医になったわけではありません。
――では、精神科医の本来の仕事は何か。それは「話し合うこと」です。精神療法だって話し合いですし、それこそが精神科医のアイデンティティのはずです。
 そうである限りにおいて、この仕事はまだまだ捨てたものじゃないと私は信じています。――[本文より]


はじめに

第1章「疾患喧伝」(disease mongering)について取材を受ける―精神医学の欺瞞
今の精神科の医療は欺瞞だらけ?/疾患喧伝とは何か/病気か生理的な範囲か/製薬会社の疾患啓発活動/疾患喧伝にあおられる精神医学/「医者だから薬を使わないといけない」は間違い/うつ病に抗うつ薬は効くのか?/うつ病のガイドラインも変わる/脳循環・代謝改善剤の経験/薬物療法批判は単なる狂信的な活動ではない

第2章 うつ病と「こころの風邪」
ごあいさつは空中戦/世紀末疫病物語/真犯人は誰だ?/季節の変わり目の心の風邪/昭和時代の「こころの風邪」/「こころの風邪」とうつ病啓発/映画になった「こころの風邪」/うつ病啓発の意義/「こころの風邪」は「脳の病気」?/「牧畜業者」といわれた精神科医たち/おとぎ話の終焉

第3章 生活不活発病としてのうつ病
医療ジャーナリズムの世界/自殺者が三万人を切った理由/「傘がない」と団塊の自殺/自殺好発年齢は四〇、五〇代/高齢化しすぎると自殺は減る/お年寄の四人に一人が認知症?/ヘルス・リテラシーの要請/高齢者の生活習慣病としてのうつ/退職後、うつ状態を呈した七二歳男性/しゃべらないということが所見になる/リタイア後に元気がなくなる/精神科治療は見込み発車/治療は「低侵襲」なほうがいい/薬物療法を急がない/療養指導の実際/生活習慣は簡単には変わらない/薬は使うのか?/不眠を訴える高齢者に対する療養指導/高齢者に睡眠薬は使うべきか/高齢者の不活発は「死に至る病」/身体運動と知的志向の両立

第4章 双極性障害というジョーク
浪花医科大学から若手医師が見学に/VIPのうつ病/カリスマ医師淀屋橋工次先生/職業としての医者/天才かイカサマ師か/外来症例のカンファランス/面接の流れを予想する/課題を中心に面接を展開させる/職場のメンタルヘルス/復職のためのプランニング/診断書の書き方/双極性障害の治療/「うつ病」から「双極性障害」への診断変更/気分変動は病的ではない/療養指導なき薬物療法の弊害/誤診があり得ることを前提にした治療/患者さんの自助努力

第5章 相模原事件をめぐって―精神科医療と治安政策
メディア対応は説明責任/相模原事件と指定医問題は直接の関係はない/精神科医は警察官ではない/措置入院は強制治療/措置入院で医師は人権擁護の責任を負う/退院の際の責任/退院の判断は妥当か/「警察発、病院行き」の“片道切符”/思い込みは病気か/確信犯罪者は刑法学の課題/措置解除後の事件はこれからも起こる/「検討チーム」の刑法学者は機能していない/保安処分に関する議論/一元主義と二元主義/法の抜け穴をふさぐ措置入院制度/論争の歴史をどう総括するか/患者さんにどう説明するか/『イチゴ白書』をもう一度

おわりに

井原裕[イハラヒロシ]
1987年東北大学医学部卒業。1994年自治医科大学大学院修了、医学博士。2001年ケンブリッジ大学大学院修了、PhD。2008年?獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授。
都心の大学病院・農村の精神科病院・駅前のクリニック・企業の健康管理センター・児童相談所と多様な治療セッティングのもとで診療を行う。この多彩な臨床経験をもとに、就学前から超高齢者までの、ほぼすべての年齢層の患者を診察。対象疾患も、うつ病・統合失調症・発達障害・知的障害・認知症・不安障害・パーソナリティ障害等、全領域にまたがる。一方、司法精神鑑定医として、埼玉県内の事件を中心に数々の重大事件の精神鑑定を行い、精神保健判定医として多数の医療観察法審判に関与。刑事・民事ともに、法廷で精神鑑定人として証言する機会も多い。現在は、獨協医科大学越谷病院こころの診療科にて、セカンドオピニオン外来を開設。他の医療機関通院中の患者さんに対して、専門的見地からのコンサルテーションを行っている。
著書『激励禁忌神話の終焉』(日本評論社)、『精神鑑定の乱用』(金剛出版)、『思春期の精神科面接ライブ』(星和書店)、ほか多数。

内容説明

―私は、すでに精神保健指定医として、精神科救急にも、医療観察法審判にも関わって…患者の人権と社会の安全という相互に衝突する価値観の間で困難な判断を下してきました。…でも、精神医学における「強制」は控えめにすべきです。

目次

第1章 「疾患喧伝」(disease mongering)について取材を受ける―精神医学の欺瞞(今の精神科の医療は欺瞞だらけ?;疾患喧伝とは何か ほか)
第2章 うつ病と「こころの風邪」(ごあいさつは空中戦;世紀末疫病物語 ほか)
第3章 生活不活発病としてのうつ病(医療ジャーナリズムの世界;自殺者が三万人を切った理由 ほか)
第4章 双極性障害というジョーク(浪花医科大学から若手医師が見学に;VIPのうつ病 ほか)
第5章 相模原事件をめぐって―精神科医療と治安政策(メディア対応は説明責任;相模原事件と指定医問題は直接の関係はない ほか)

著者等紹介

井原裕[イハラヒロシ]
1987年東北大学医学部卒業。1994年自治医科大学大学院修了、医学博士。2001年ケンブリッジ大学大学院修了、PhD。2008年獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授。精神科医となって以来、都心の大学病院・農村の精神科病院・駅前のクリニック・企業の健康管理センター・児童相談所と多様な治療セッティングのもとで診療を行う。この多彩な臨床経験をもとに、就学前から超高齢者までの、ほぼすべての年齢層の患者を診察。対象疾患も、うつ病・統合失調症・発達障害・知的障害・認知症・不安障害・パーソナリティ障害等、全領域にまたがる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ノンケ女医長

8
タイトルと内容に大きな乖離があるように受け止めた。「薬に頼らないこころの治療」を実践されてこられた著者の意見に沿った作品であり、「うつ病から相模原事件まで」そのものを今作から学びとるのは難しいかもしれない。「面接の流れを予想する」外来症例のカンファレンスはかなり大事だと思うし(123頁)、私も参加して学びたい。相模原事件では、ようやくグレーゾーン事例に焦点が当てられたが、厚労省は健康のための官庁。「精神保健福祉法は、こころの健康に関する法律で、犯罪防止のための法律ではない」(157頁)には強く賛同する。2020/06/30

日曜読書人

4
対話形式の本。イハラ先生の歯切れ良さと誠実さがいいなあ。日々の睡眠は基本中の基本ですよね。2018/04/21

なお

2
薬の批判と精神科医の責任逃れ…と読みましたが解釈間違ってる?2018/01/12

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