内容説明
秋葉原無差別殺傷事件や自殺企図…殺人から自殺まで、人の命が失われる事件が起きるメカニズムは全て共通です。というよりそれらを含めたあらゆる行動のメカニズムが一緒なのです。それを理解できてはじめて正しい事件対策ができます。間違いだらけの「有識者」たちの「有識」を糺す!
目次
第1部 間違いだらけの「有識者」たち(情報選択と信用性判断の間違い;掲示板の理解の間違い;「加藤家」の理解の間違い;ハケンの理解の間違い;独自の概念を創作する間違い;間違いに間違いを重ねる間違い;「有識者」が掲げる対策も大間違い)
第2部 事件を正しく理解するために(行動の真理;自重の心裏;必要な審理;本当の心理)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
澤水月
19
勧めない。仰天するのが名著とされる中島岳志「秋葉原事件」筆頭に様々な「有識者」の間違い執拗に年月日つき新聞記事や記者名挙げ潰す前半。論の根拠が警察発表と掲示板記録だがそれが「成り済まし」ばかりだから…と4p掲示板記録を並べどれが私でないでしょう?教えなーいとか…母の虐待の凄まじさは彼ら兄弟だけでなく父にも及んでいたのはおぞまし。そして後半の逆転で理解する論は正直解らん。自死した弟の記述最後にあったが記者面会拒む。前著1月刊行自死の報3月で5月脱稿…一応彼の心揺れたと思いたいが怖いほど被害者への言及共感なし2014/09/12
gtn
11
マスコミの誤報、有識者の偏見を一つ一つあげつらって怒る。そんな暇があるなら、これでもかというほど詳細な自伝を書けばいいではないか。一つだけ同情するなら、著者の人格形成の裏には、母の虐待がある。著者が死を迎えるまでに、心から詫びてもらいたい。2019/04/08
hiratax
6
本作が加藤智大が死刑確定前に上梓した最後の本になる。その後の文章発信はない。前作「東拘永夜抄」は自分の事件をお話として語っておりわかりやすかったし読ませた。本作は入り組んだ理屈が延々並べられる。世の中っていい加減にできていて、適当でも動く部分があるけど、そこでに加藤は耐えられなかったんだろうなと。中島岳志はじめ各識者に逐次反論を行っている。広く伝えたいなら裁判でやれば良かったのでは。彼は控訴審以降には出廷していない。民事で訴えても良いし、刑事裁判でやれないこともなかったのでは。あと加藤は頭がいい人だなと。2016/08/27
赤穂
4
結論から言って嘘八百です。「加藤世代の者」として、加藤死刑囚最後の著書として読みました。「東拘~」以上に重箱の隅をつつくような幼稚な反論が多い。終始一貫性のある部分は「自分を狂わせたのは母親である」「引き金は掲示板のなりすましである」という点だけです。死刑になってまで「俺は女に興味ない!」と言う嘘が林貢二容疑者のようで痛々しい。掲示板の書き込みが彼の「本心」でしょうね。でなきゃ、凶行に至るまで「なりすまし」に怒りません。 「彼女がいない、この一点で人生崩壊」 この言葉が彼の本心であり全て。これが真理です。2018/04/18
K
3
他人事のように書いてるから途中まで本人が著書だと気づかなかった。「BすればCになる」は一理あると思った。是非はともかく読んで良かったと感じた一冊。2015/03/06