出版社内容情報
■オールコック
■ハリス
■プチャーチン
■キリスト教
■漂流民
■グラント将軍
■コレラ
■種痘
■留学生
■李垠
etc.…これらはみな「伊豆」と深い関わりを持つ人物/事柄である。
伊豆は旧東海道線沿いにある関係で、江戸時代から様々な文化の交流があった。また、海岸は海路による文物の交流があり、幕末期はまさしく下田が海外との窓口となった。「伊豆」のフィールドワークを通して「世界史」を考える一冊。
はじめに
●第一章 二十世紀における伊豆と韓国・朝鮮
第一節 はじめに
第二節 李垠と伊豆
1 三島との繋がり
2 伊東との繋がり
第三節 要人の往来
第四節 強制連行
第五節 結 び
●第二章 伊豆を通り抜けた外国人
第一節 はじめに
第二節 著名人たちの足跡
1 ケンペル
2 ツュンベリー
3 シーボルト
4 ハリス
5 ヒュースケン
6 ロッシュとアルミニヨン
第三節 朝鮮通信使
第四節 結 び
●第三章 オールコックとハリス 伊豆における外交官の側面
第一節 はじめに
第二節 伊豆におけるハリス
第三節 伊豆におけるオールコック
1 富士登山
2 熱海逗留
第四節 幕末期の外交
第五節 結 び
●第四章 プチャーチンの開けた扉
第一節 はじめに
第二節 プチャーチン来航の意義
第三節 ヘダ号造船
第四節 橘耕斎
1 国外脱出
2 ロシア生活
3 その後
第五節 日本人留学生
第六節 オリガ・プチャーチン
第七節 結 び
●第五章 伊豆とキリスト教
第一節 はじめに
第二節 カトリッ章 グラント将軍の来静と対応
第一節 はじめに
第二節 来静の様子
第三節 三島における対応
1 世古本陣
2 三島大社
3 三島学校
第四節 外交の裏面
第五節 結 び
●第九章 伊豆の中の第一次世界大戦
第一節 はじめに
第二節 大戦の概要
1 青島陥落
2 戦時下の動き
第三節 大戦と産業
第四節 教育界との関連
第五節 大戦後の動き
第六節 結 び
あとがき
20世紀も終わり、21世紀の時代となった。
国際化の時代と言われて久しいが、確かにインターネットの発達によりグローバルな情報が瞬時に入り、あたかも自分が世界人の一人であるかのような錯覚を受けることがある。
しかし、その反面どれだけ自国のことについて理解をしてきたであろうか。
日本が世界に誇る文化は何かと問われた時に、能や茶道、神社仏閣についてどれほどの説明を加えることができるであろうか。
実際のところ筆者も口ごもるだけで、明確に答えることはできない。
高等学校の教育課程の中で、「世界史」なる科目が必修科目となって久しいが、教育界に身を置くものとして感じることは、なぜ世界史を学習するのかという意味を生徒がどれだけ理解しているのか、と言うことである。
国際化社会の理解のためと一言ですませる前に、現実の世界をどれだけ自己の思考のベースに備えつけることができているか。様々な外国人労働者が目の前を過ぎてゆく今日、自らが外国文化をいかに理解し、また、彼らに日本文化を理解してもらうことができるのか。
そう考えていくと「世界史」学習の重要性が再認識され、世界を見る目と日本を見る目を違った角度から捉えあった。
地域の歴史の掘り起こしは、高校生のみならず小学生のうちから総合的学習の時間を利用してできるものであり、こうした積み重ねこそが歴史教育の根幹をなしていると思う。
今回取り上げた九つのテーマは、伊豆各地での意外に知られてなかった面にも焦点を当てたつもりである。ほとんどが近代以降になってしまうのは、鎖国が解かれた幕末以降に海外との交流が活発化したからである。
本書を通じて「伊豆」と「世界史」に興味をもっていただければ幸甚である。
(「はじめに」より)
帰国子女がもてはやされ、インターネットによる「グローバル社会」が喧伝される昨今ですが、はるか昔から日本人は、海外との交流をいろいろ模索して来たのです。
身近な「歴史的遺産」を知ることにより、受験勉強のためのつまらない「世界史」を、違った視点から考えられるようになるでしょう。
内容説明
李垠、オールコック、ハリス、プチャーチン、三浦按針、グラント将軍、キリスト教、漂流民、種痘、コレラ、留学生、ロシア正教、森永乳業、富士登山…。海外と様々な交流があった「伊豆」に迫る。
目次
第1章 二十世紀における伊豆と韓国・朝鮮
第2章 伊豆を通り抜けた外国人
第3章 オールコックとハリス―伊豆における外交官の側面
第4章 プチャーチンの開けた扉
第5章 伊豆とキリスト教
第6章 漂流民と移民
第7章 病気と世界史
第8章 グラント将軍の来静と対応
第9章 伊豆の中の第一次世界大戦
著者等紹介
桜井祥行[サクライヨシユキ]
1961年静岡県生まれ。1985年立命館大学文学部東洋史学専攻卒業。同年~静岡県立高等学校社会科教諭。1989年~97年静岡県史編さん調査委員。2001年~伊豆長岡町史編さん専門委員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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