出版社内容情報
〈いじめ〉はなくならない。日本の伝承文化に潜む〈いじめ〉の社会意識の構造を、民俗事象の緻密な分析を通して明らかにしつつ、現代の学校空間における子どもたちの孤独な心象風景を照射する。
序章 いじめ論序説―いじめの民俗学試論―/第1部 いじめの現象学/第1章 いじめの事例と構造/第2章 教室のいじめ劇/第3章 「富裕社会」における弱者/第4章 文学に見るいじめの世界/第5章 浮浪者への愛憎/第2部 いじめ論の可能性/第6章 嫁いじめ論 /第7章 婿いじめ論/第8章 婚姻と「嫁婿いじめ」/第9章 藤子A『少年時代』論/第10章 いじめと勉強立身/第3部 資料篇(解題:礫川全次)/日中山太郎「聟いじめ」/月穂積重遠「村八分」/火中山太郎「民俗の改廃が生むだ特殊の犯罪」/水早川孝太郎「田植ゑのことなど」/木池田弥三郎「日本式教育」ほか
内容説明
東京・中野で起きた鹿川君への「葬式ごっこ」といういじめ、山形県の中学生による「マット殺人」にみられるいじめなど、現象としてのいじめを、供犠性・祝祭性・嗜虐性をキーワードに民俗学の手法で解明していく―。教師集団による本格的〔いじめ論〕の研究。
目次
序章 いじめ論序説―いじめの民俗学試論
第1部 いじめの現象学
第2部 いじめ論の可能性
第3部 資料篇