出版社内容情報
★認知症の当事者による、当事者のための本★
65歳以上では約5人に1人が認知症を発症するといわれるなか、根本的な治療法は確立されていません。
認知症や軽度認知症の診断を受けた人、その家族や支援者にとって、「いかに症状を進行させずに過ごせるか」、または「症状が進行しても、どうやって今の生活を継続するか」は大きな関心事です。
著者の丹野智文さんは、認知症と診断されて12年経った今、進行を自覚しつつも仕事を続け、全国を飛び回って認知症の啓発活動に取り組んでいます。そして日々を楽しんでいます。
なぜ丹野さんはこんなに元気に過ごせているのでしょう? 本書は、その理由と工夫を伝えます。
丹野さん自身の経験と言葉に、認知症当事者が勇気づけられたり、症状や進行の不安を軽減したりするヒントがたくさんつまっています。「当事者による当事者のための1冊」です!
◎家族や支援者にも役立つ◎
丹野さんがこれまで出会った当事者や家族のエピソード、自身の経験から「認知症の当事者は、実際どんなことに困っているか」「どうしたら困らなくなるのか」などが具体的にわかります。
また、「実はこんなことで当事者の『できること』が奪われているのでは?」という気付きを読者に投げかけてくれます。当事者の家族や、これからの介護や支援の仕事の参考にもしていただける1冊です。
◎ピアサポートの実際がわかる◎
近年、同じ認知症の人同士が、話し合い、支え合う「ピアサポート」が注目されています。
当事者として、不安をもった認知症の人にピアサポートを長年行ってきた丹野さんによる「ピアサポートの実際」が、誌上体験できます。これからピアサポートを受けてみたい、やってみたいと思っている当事者や、ピアサポートに関心がある支援者にも有用です。
【主な目次】
Part1 当事者自身が諦めないでほしい7つのこと
1今までの生活を続ける 2症状を受け入れて工夫する 3自分で考えて決める
4努力する 5たくさんの人、仲間と助け合う 6一歩を踏み出す勇気
7楽しむこと
Part2 認知症の不安を補う工夫
工夫するためのコツ/手帳だけでなく、何でも書ける1日1ページノートを使う
自分専用のカレンダー/ヘルプカード/迷ったときの工夫 ほか
Part3 家族や専門職の人に伝えたいこと
1先回りしないでください 2心配と優しさの方向を、間違えないでください
3当事者の力を信じてください 4「介護していること」や「支援していること」に依存しないでください
5「自分が認知症になったときにそれをやってほしいか」を常に考えてください
6当事者が前向きになると家族も楽になります
Part4 ピアサポートの力
1ピアサポートの実際 2ピアサポートで心掛けていること
誌上体験 丹野さんの診断後支援のなかのピアサポート
内容説明
認知症とともに12年。失敗するから工夫する、そして成功体験ができる。当事者も家族も「諦めない」ためのヒント集。
目次
1 当事者自身が諦めないでほしい7つのこと(今までの生活を続ける;症状を受け入れて工夫する ほか)
2 認知症の不安を補う工夫(工夫するためのコツ;手帳だけでなく、何でも書ける1日1ページのノートを使う ほか)
3 家族や専門職の人に伝えたいこと(先回りしないでください;心配と優しさの方向を、間違えないでください ほか)
4 ピアサポートの力(ピアサポートの実際;ピアサポートで心掛けていること)
著者等紹介
丹野智文[タンノトモフミ]
1974年宮城県生まれ。ネッツトヨタ仙台でトップセールスマンとして活躍中の2013年、若年性アルツハイマー型認知症と診断される。診断後は営業職から事務職に異動。その後、認知症の啓発活動を仕事として現在も同社に勤務している。2015年に認知症当事者のための総合相談窓口「おれんじドア」を開設し、当事者同士のネットワークづくりのきっかけともなった。診断後支援としてのピアサポート、全国、海外での講演活動も精力的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。