感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちびbookworm
49
★3.淡々と進む感じ。塩系かな。西村賢太さんが激賞していた&映画化で読んでみたけど、映画(23/11/17公開〜)の方を期待してます。(令和の漫画だけど、なんか”昭和感”を感じる。。)https://copo-movie.jp/ 2023/11/09
新田新一
12
大阪の安いアパートが舞台の漫画です。借金やドメスティックバイオレンス、援助交際など難しい問題が次々と出てくるのですが、抑制された画風で、とぼけたユーモアがあるので、暗い気持ちにならずに読めました。私の好きな漫画家つげ義春に雰囲気が似ています。突然首吊りの自殺者が出てくる1話がインパクトがありました。自殺した人は物を集める癖があり、部屋の中は拾ってきた電気製品が溢れています。片づけが終わった後に、登場人物の一人のユリちゃんが、自分の部屋でぽつりと言う言葉のやるせなさが、心に刺さりました。2023/12/01
フロム
9
解像度が凄い。特に登場人物のウツロさや変な所の頑固さが作者の執念を感じる。この巻白眉、眼鏡&時計店の主人が妻とする性行為する際の作業感が凄い。正に作業。「後ろを向いてくれないか?」「汚らわしい、、、動物じゃないんだから、、、」「お義母さん手以外にもどこか悪いをじゃない?」と呟きながら終始真顔。旦那さんは中々の性豪だと思う。映画化だそうだが映画映えするいい作品だ。監督はよく見つけたなと思う。2022/12/12
S 2
9
一時期話題になっていたようなので読んでみた。中々にパワーある漫画。ボロボロアパートに住む人間達の人生模様。線の一つ一つに呪いにも似た情念のようなものを感じる…すごい漫画だったが、体力&精神力が無いときに読んだら色々と持っていかれそうだ。2022/04/03
コリエル
9
現代のプロレタリア漫画といいたいところだが、おそらく意図的に現代じゃなくても問題ないように描いてある。貧民の暮らしなのでスマホだなんだがほぼ登場しなくてもまあ不自然さは無いのだが、視界に入るちょっとした小道具類も昭和で固めてあって、30年は昔の舞台設定のように感じられる。我々の抱く昭和という時代が持つ猥雑そうなイメージが作品世界にマッチしてる。かつては文学青年だったかと思わせる宮地のその境遇とのギャップが特に印象的だったか。2020/04/17