内容説明
太宰治『人間失格』は「のです」で終わってばっかり!弁明・弁解、図々しい弱さ、「分かって欲しい」「分かってくれて然るべき」…「のです」には様々な思いのニュアンスが込められている?ではそれは、外国語にはどのように翻訳されてきたのか。日本語話者が気づかないニュアンスがそこにはあるのか?
目次
第1章 吉本ばなな『キッチン』 「してしまう」「気をつかう」に見る自然の成り行きと空気
第2章 川端康成『山の音』省筆の美・曖昧さの魅力
第3章 三島由紀夫『愛の渇き』華麗なる直喩の世界
第4章 太宰治『人間失格』「のです」が示唆するもの
第5章 宮部みゆき『火車』「てくれる」を手がかりに地上の視点を探る
第6章 山田太一ファンタジー三部作 終助詞「ね」と「よ」が伝えるもの
第7章 トーマス・マンと北杜夫(1)ユーモア表現の違い
第8章 トーマス・マンと北杜夫(2)語りの態度の違い
第9章 開高健『夏の闇』人称代名詞の省略と主観的把握
第10章 俳句の翻訳の変遷
著者等紹介
宮内伸子[ミヤウチノブコ]
1956年埼玉県生まれ。東京女子大学で日本文学、社会学、文化人類学を学ぶ。ドイツ系企業等勤務を経て、東京都立大学の学部および大学院でドイツ文学を専攻し修士号取得。富山大学にてドイツ語およびドイツ文学の教授を勤め、2022年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tanaka9999
11
2025年1刷、ひつじ書房の単行本。英語も得意でなければドイツ語もわからない。さらにアメリカやイギリス、ドイツの小説も読んでことはほとんどない。でも、日本語の構造に説明があるので面白く読めた。2026/03/12
のすけ
2
英語を聞きながら日本語字幕を見ていると「ここってそんな訳になるんだ」と感じることがある。英語で先に読んでから日本語版を読むと、「この人ってこんな感じのキャラだったの!?」と驚くこともある。単に訳者の解釈の影響だと思っていたのだが、この本の筆者は英日独の文章を比較することで、日本語が得意とする表現・苦手とする表現について分析をしている。特に面白く感じたのは俳句の章。 俳句鑑賞では作者と同じ目線でその情景を見るように要求されることを例に挙げて、日本語の特徴としての主体的事態把握について説明している。2026/02/23
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