内容説明
小説の言語表現には、様々な描写の技巧が関わっている。本書は、認知言語学の視点から、特に描写の主観性と客観性の側面に焦点をおきながら、文学テクストの創造性に関わる修辞技巧の問題を考察していく。小説の作品論、作家論の研究にも新たな視点を提示する。
目次
第1章 序章
第2章 文学表現における描写の諸相
第3章 描写の客観性と主観性
第4章 認知文体論からみた文学表現
第5章 虚構と病理からみた文学の創造性
第6章 終章
著者等紹介
山梨正明[ヤマナシマサアキ]
1948年静岡県生まれ。1975年ミシガン大学大学院博士課程修了(言語学、Ph.D.)。京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Alm1111
6
小説の構造や表現を理論的に解釈したらどういう学問になるのだろうかと思って読み始めたが、何回読んでもどこから読んでも寝落ち本だった。学問のための学問のような抽象論ばかりで自分にはピンとこなかった。めくればおやすみ3秒、眠れない夜用の本として置いておきます。。。2024/06/08
れどれ
2
1センテンスを執拗に解体し認知的に時空間を追跡していく手法は物珍しい感興も誘うけれどやや無味乾燥か。書き手の領分にやや偏りがあるのか、広範な例を取り上げてはいないからやや呑み込みにくかった。ハードボイルドから村上春樹についてはえらい詳しい。2023/09/20