内容説明
形而上学、ギリシャ哲学以来の誤ったことばの像、モノ化された心の営みを超えるパフォーマンス・アプローチ。自然科学に偏った従来の心理学の困難を痛烈に批判する、ヴィゴツキー、ウィトゲンシュタインに基づく新しい心理学は、ここからはじまった。言語の教育・発達論にも大きなインパクトを持つ、パフォーマンス・アプローチ心理学の理論と枠組みを解説した一冊。
目次
序論
第1部 哲学のいくつかの物語(イリアスとオデュッセイアの間に;経験をたたえること―近代の哲学、心理学、そして論理学)
第2部 心理学のとんでもない物語―国家と心(新しい存在論と心理学による神話学;心理学と個人;心理学のベストセラー―精神疾患とメンタルヘルス;心理学と人間発達―(観念論者にとっての)理想の結婚)
第3部 方法の実践―自然科学でない心理学のための新しい認識論(解釈から自由なコミュニティとその臨床実践;ウィトゲンシュタイン、ヴィゴツキーそして人間の生に関する文化―パフォーマンス的理解)
著者等紹介
ニューマン,フレド[ニューマン,フレド] [Newman,Fred]
1935年生まれ。前イーストサイド短期グループセラピー研究所長。スタンフォード大学で哲学博士号を取得したのち、ノックス大学やニューヨーク市立大学で教鞭をとるものの、実践としての哲学を実現するために、1968年から在野の哲学者として、コミュニティビルディング活動をニューヨーク市で開始し、ソーシャルセラピー、若者支援のパフォーマンスアプローチ(All Stars Project,Inc.)、企業向けパフォーマンスコンサルタント(Performance of A Lifetime社)など多数の文化的パフォーマンスの転換に基づく発達支援プロジェクトを創始した。『革命のヴィゴツキー』(新曜社刊)『End of Knowing』(Routlege刊)など戯曲集を含む多数の著作を残すも、2011年に膵臓癌で没した
ホルツマン,ロイス[ホルツマン,ロイス] [Holzman,Lois]
イーストサイド短期グループセラピー研究所長。コロンビア大学で発達言語心理学の学位取得。パフォーマンスアプローチの開拓をニューマンと共に牽引してきた。日本発達心理学会や教育心理学会などによる招聘で、日本各地で講演やワークショップを開催するために、3回の来日を果たしている
茂呂雄二[モロユウジ]
東京成徳大学応用心理学部教授。専門・関心領域:パフォーマンス心理学、言語・発達・学習心理学
岸磨貴子[キシマキコ]
明治大学国際日本学部准教授。専門・関心領域:多文化共生、教育工学、学習環境デザイン
北本遼太[キタモトリョウタ]
浜松学院大学短期大学部講師。専門・関心領域:発達心理学、社会物質性アプローチ
城間祥子[シロマショウコ]
沖縄県立芸術大学全学教育センター准教授。専門・関心領域:教育院理学、伝統・文化の学習過程
大門貴之[ダイモンタカユキ]
NTTテクノクロス株式会社こころを動かすIDTデザイン室。専門・関心領域:学習環境デザイン、テクノロジーの社会的実践
仲嶺真[ナカミネシン]
東京未来大学モチベーション行動科学部特任講師。専門・関心領域:心理学論、恋愛論
広瀬拓海[ヒロセタクミ]
独立研究者。専門・関心領域:学習・発達心理学、社会物質性アプローチ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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