内容説明
幾何の美しさを追求し芸術家、建築家、物理学者からも認められたイギリス・カナダで活躍の数学者の生涯。2008年アメリカ数学会のオイラー賞受賞。
目次
第1部 純粋な幾何学(ドナルド・コクセターという人物;ミスター多胞体、ブダペストへ行く;不思議の国の若きドナルド ほか)
第2部 応用(バッキー・フラーと「幾何学のギャップ」の解消;C60、免疫グロブリン、ゼオライト;M.C.エッシャーとの「コクセタリング」 ほか)
第3部 余波(対称性に生きた人生)
著者等紹介
ロバーツ,シュボーン[ロバーツ,シュボーン][Roberts,Siobhan]
加トロント在住のフリーランスライター。『多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者』は、2008年アメリカ数学会のオイラー賞を受賞
糸川洋[イトカワヒロシ]
1949年、東京生まれ。慶応大学卒業後、マニュアルライターなどを経て翻訳家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yooou
7
☆☆☆☆★ 存命中に既に伝説となった天才幾何学者ドナルド・コセクター。四次元空間を見透かす洞察力によって見えてきた世界の中核にある対象性の驚くべき姿。本書は特に難解なところは省かれておりとても読みやすく、コセクターの英知と人柄にただ脱帽であります。2014/04/12
EnJoeToh
2
反ブルバキズム。2009/01/21
ももこ
1
今ではあたり前のように提示されるCG技術。この技術のおかげで古代の世界を再現したり、人体の中で起こる免疫システムのことや、はるか彼方で行われている星々の営みについてクリアなヴィジョンが提示される。 その根底にあるのは幾何学。いったんは消滅の危機に晒されたこの学問の火を灯し続けてきたコクセターという人物の存在に有難さしかない。 エッシャーとの関わり合いについてはなるほどやっぱりという感を覚えて面白かった。2020/12/14
Germanene
1
20世紀を代表する幾何学者・コクセターの伝記。古典幾何学への愛着や、他の数学者や芸術家との交流(エッシャーや「GEB」のホフスタッター等も出てくる)だけでなく進路の悩みなど人間的な一面も描かれている。「イメージのない数学はありえない」との台詞が印象的。「幾何学入門」の作者って言うのは初めて知った。2013/09/12
driver1988
1
はじめてコクセターを知った。そして幾何学がいかに深遠な分野か、思い知らされる思いがした。と同時に彼が愛用していた万華鏡の存在も気になるところであはある。2010/10/22