内容説明
“もてなし”の文化でAppleを超える。アプリ、Web、教育、医療、電子機器に革新をもたらすゲーム制作のノウハウとは。
目次
序章 なぜゲームのノウハウが家電や教育、デジタル機器に必要なのか
1章 ゲームニクス成立の過程―ソフトで世界を制覇する(ゲームが米国文化から日本文化に塗り替えられる;ゲームニクス理論成立の文化的背景;ゲームニクス理論の他分野への応用 ほか)
2章 ゲームニクス理論(ゲームニクスとはなにか;ゲームニクス理論の詳細)
3章 ゲームニクス応用(スマホ・アプリ応用;タブレット応用;リハビリ・ヘルスケア応用 ほか)
著者等紹介
サイトウアキヒロ[サイトウアキヒロ]
立命館大学映像学部教授。多摩美術大学在学中よりCMディレクターやアニメ・プロデューサーとして活動しながら、ファミコンの初期から任天堂を中心にゲーム・クリエーターとしても活動を開始。以後、最近まで多数のゲーム制作を指揮する。現在は、ゲームにおける「人を夢中にさせるノウハウ」の他分野での活用を提唱し、これを「ゲームニクス」と命名して実践している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
78
ファミコンの黎明期から20年にわたって任天堂をはじめとするゲームディレクションに関わってきた著者による、ゲーム制作のノウハウを体系的にまとめた虎の巻。ゲームが日本で発展した理由を、茶道のような「おもてなしの文化」と、俳句のような「制限による工夫の文化」に帰結しているのが面白い。ゲームの中で様々な粒度の目標を作ってプレーヤーにストレスを与えよ、とか、飢餓感を煽れ、とか、ゲームにハマる状態を作り出すためのUIの考え方が参考になった。リハビリゲームや学習教材など、ゲームニクスを応用したシリアスゲームも興味深い。2015/01/15
Gamemaker_K
4
ユーザー重視ってなんだろうなってことを深く考えさせてくれる本。この本自体がゲームニクス的観点からちょっと外れていたのが残念ではあるが、そこまで甘やかせてもらうわけにはいかないということだな。・・・まあでも、消費者の目からモノを見る場合、あまり商品やサービスの不備にケチつけてばかりいてはいけませんね、ということをふっと考えてしまいましたね。ゲームニクス理論もわからないでもないが、人間がどんどんダメになっていきそうな気がして。2013/08/08
rumichang
2
ゲーミフィケーションの概念が出てくる前の本。ゲームニクスの説明というよりはゲーム制作のマニュアル本と考えた方がいいと思う。ゲーム制作の話がメインで、家電や教育への応用の話は少ない。なので具体例としてはコンピューターゲームばかりが挙げられている(コントローラのボタンのこととか)。もっとも、ぼくみたいにある程度ゲームをする人にとってはよくわかりやすい例なので、そういう人向けかなぁ。個人的にはわかりやすかった。参考文献をいくつか漁ってみよう。2014/10/19
三歩
0
ゲーム開発者の方々、面白いとか気持ちいいといった感覚が生まれる理由を理論的に説明できますか?本書は他分野にゲームのノウハウを取り入れる為のビジネス本だが、同時にゲームのポイントを理論的に解説してくれるゲームの技術書でもある。「感覚を理論的に説明できる能力」。面白さという形の無いものを集団で制作するゲーム開発において、この能力は必須だ。右脳In左脳Outの力を磨くために本書はとても参考になると思う。やっぱり任天堂って凄いなぁ。こんな人がウジャウジャいるんだろうなぁ2015/11/27