小惑星探査機「はやぶさ2」の挑戦

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小惑星探査機「はやぶさ2」の挑戦

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  • サイズ B6判/ページ数 399p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784822276393
  • NDC分類 538.9
  • Cコード C0053

出版社内容情報

はやぶさ2が目指すのは“行きたい星”。キーパーソンのインタビューを交えながらプロジェクトの実像に迫る。

世界初の小惑星からのサンプルリターンを果たした初代はやぶさ。
だが、数々のトラブルに見舞われ、満身創痍での帰還だった。
しかも、目指したのは“行ける星”。“行きたい星”ではなかった。
はやぶさ2が目指すのは“行きたい星”。
水や有機物が存在すると考えられているC型小惑星の一つだ。
その星と地球との位置関係から、はやぶさ2では短期開発が必須。
しかし、なかなか予算が付かず、本格始動は遅れに遅れる。
キーパーソンのインタビューを交えながらプロジェクトの実像に迫る。


小惑星探査機「はやぶさ」の後継機として開発が進む「はやぶさ2」。12月3日にその小惑星探査機「はやぶさ2」を搭載したロケットが鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。さまざまなトラブルに見舞われながらもさまざまな知恵で困難を乗り切り、微粒子ながらもケイ素質(S型)小惑星「イトカワ」の破片を見事に地球に持ち帰ったはやぶさ。はやぶさ2では、炭素質(C型)小惑星「1999 JU3」の破片の持ち帰りを目指す。

微粒子ではなく、もっと大きな破片を持ち帰りたい。そのミッションをより確実に遂行できるように、はやぶさ2では、はやぶさの教訓や経験を生かして様々な改良や新技術を加えている。はやぶさ2のプロジェクトの意義と全体像、ミッション遂行に向けたシナリオ、それを実現する技術、さらにはやぶさから得られた教訓に基づく改良点など「はやぶさ2のプロジェクトの全貌と凄さ」、および「打ち上げまでに乗り越えなければならなかった生みの苦しみ」をキーパーソンのインタビューを交えて紹介する。

筆者は、宇宙関係のプロジェクトや技術に詳しい松浦晋也氏。宇宙開発に興味のある一般の技術者/ビジネスマン、将来の技術者候補である大学生や高校生を主な読者対象として想定している。

【第1部】プロジェクトの全体像と意義
     初代に続き、再び世界初を求めて

 第1章:水と炭素化合物の採取に挑むはやぶさ2
     小惑星到着は2018年夏、地球帰還は2020年末

 第2章:初代はやぶさとはやぶさ2
     苦い経験を踏まえた設計変更と新たな探査を目指す新装備

【第2部】プ口ジェクト関係者が語るはやぶさ2
     打ち上げ前から前途多難にして波瀾万丈だった

 第1章:はやぶさからはやぶさ2へ
     川口淳一郎 JAXA宇宙科学研究所教授

 第2章:電気推進システムで未来を切り拓く
     國中均 JAXA宇宙科学研究所教授

 第3章:いちばんつらい時期のプ口ジェクトを支えて
     吉川真 JAXA宇宙科学研究所准教授

 第4章:惑星科学を宇宙探査
     渡邊誠一郎 名古屋大学教授

 第5章:はやぶさ2を実施するJSPECという組織
     樋口清司 JAXA副理事長

 第6章:はやぶさ2を確実に開発する体制を作る
     山浦雄一 JAXA理事

 第7章:レーザー高度計、こんどこそ完璧動作を
     水野貴秀 JAXA宇宙科学研究所准教授

 第8章:C型小惑星に水分子を求めるNIRS3
     安部正真 JAXA宇宙科学研究所准教授

 第9章:小惑星をうがつ新装備インパクター
     佐伯孝尚 JAXA宇宙科学研究所助教

 第10章:DCAM3を実現した若い力
     澤田弘崇 JAXA月・惑星探査プログラムグループ開発員

内容説明

生みの苦しみを乗り越え、ついに旅立つ。立ちはだかった壁とは…、初代の教訓は…、世界初に向けた装備とは…これが当事者が語るはやぶさ2だ!

目次

第1部 プロジェクトの全体像と意義―初代に続き、再び世界初を求めて(水と炭素化合物の採取に挑むはやぶさ2―小惑星到着は2018年夏、地球帰還は2020年末;初代はやぶさとはやぶさ2―苦い経験を踏まえた設計変更と新たな探査を目指す新装備)
第2部 プロジェクト関係者が語るはやぶさ2―打ち上げ前から前途多難にして波瀾万丈だった(はやぶさからはやぶさ2へ―川口淳一郎JAXA宇宙科学研究所教授;電気推進システムで未来を切り拓く―國中均JAXA宇宙科学研究所教授;いちばんつらい時期のプロジェクトを支えて―吉川真JAXA宇宙科学研究所准教授;惑星科学と宇宙探査―渡邊誠一郎名古屋大学教授;はやぶさ2を実施するJSPECという組織―樋口清司JAXA副理事長;はやぶさ2を確実に開発する体制を作る―山浦雄一JAXA理事;レーザー高度計、こんどこそ完璧動作を―水野貴秀JAXA宇宙科学研究所准教授;C型小惑星に水分子を求めるNIRS3―安部正真JAXA宇宙科学研究所准教授;小惑星をうがつ新装備インパクター―佐伯孝尚JAXA宇宙科学研究所助教;DCAM3を実現した若い力―澤田弘崇JAXA月・惑星探査プログラムグループ開発員)

著者等紹介

松浦晋也[マツウラシンヤ]
ノンフィクション作家/科学技術ジャーナリスト。宇宙作家クラブ会員。1962年東京都出身。慶應義塾大学理工学部機械工学科卒、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。日経BP社記者として、1988年~1992年に宇宙開発の取材に従事。その他メカニカル・エンジニアリング、パソコン、通信・放送分野などの取材経験を経た後、独立。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙とロケットが好き

14
野辺山宇宙電波観測所の公募の星空撮影会へ行く時のお供に。そして翌日は迷いながらも新しい電波望遠鏡を見に行ってきました。もちろんはやぶさ2と繋がるアンテナ!感無量です。ここ最近のリュウグウでのはやぶさ2の大活躍を、はやぶさからの歴史やプロジェクトの内容を読んでテンション上がってます。最初の頃は探査機の形がかっこいい!とか初代のドラマチックな経過とかに惹かれていたけれど少しずつどんな挑戦なのか何故この機能があるのか技術が理論を証明していく姿を打ち上げ時から追いかけてるのはとても楽しいです。好きからもう一歩へ!2019/05/26

陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙とロケットが好き

12
はやぶさ2トークライブに参加のため再読。2014年12月初版。打ち上げをはやぶさの思いを心に留めたまま見たのは良い思い出。そしてはや2は初代より順調だけれど見えないトラブルを都度解決しつつ成功を納めながら進んでいる。2回目だからと言ってトラブルなしなんてありえないと書いてある。そして初代は宇宙研、はや2は月惑星チーム主体の探査。探査機の黄金期から苦難の時代、そしてはやぶさの成功がまた次世代の宇宙探査への道を切り開く。月と火星そして小惑星探査は太陽系、地球の水や生命の起源を解明するサンプルを持ってくるはず!2019/09/29

パズル

9
インタビューを通して、はやぶさ2の開発過程や宇宙政策がわかります。イトカワにしか行けなかったはやぶさと、水と炭素のあるC型小惑星に行くはやぶさ2とでは目的が違うのですね。生命の起源がわかるならワクワクしますし、世界に先駆けたサンプルリターンの技術を絶やして欲しくないです。予算の無い中、研究者達の探究心と熱意には驚かされました。2015/01/28

かいと

8
C型小惑星とかS型小惑星とかそういう種類があることが分かった。日本の探査機の重さは、約600キロ(はやぶさ2)で外国の探査機は1トンくらいでロケットの大きさも大きいことに驚きました。2015/09/26

sun

6
はやぶさ、はやぶさ2の技術思想やその裏話を主に技術的な面から書いた本。理系の読者には面白い。実は政治的にも…。 とにかく頑張れ。2015/04/12

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